怪談ホラー『アパシー学校であった怖い話1995特別編』Steam版4月28日配信へ。2009年の同人作がSteamへ登場、追加ディスクも収録

国内の創作同人サークル七転び八転がりは4月26日、『アパシー学校であった怖い話1995特別編』Steam版を4月28日に発売すると発表した。

国内の創作同人サークル七転び八転がりは4月26日、『アパシー学校であった怖い話1995特別編』Steam版を4月28日に発売すると発表した。4月14日時点では、DLCとして「追加ディスク」がリリース予定となっていたが、追加ディスクも本体に収録した状態での配信へと変更されている。

『アパシー学校であった怖い話1995特別編』は、国内のゲームクリエイター飯島多紀哉氏が手がけた、本格ホラーノベルゲーム。1995年発売のSFC向け作品『学校であった怖い話』に端を発する作品群の1本である。本作の舞台は、鳴神学園という高校だ。1995年6月、鳴神学園の新聞部では、夏休み前の学校新聞の特集として「学校の七不思議」を取り上げようとしていた。そこで新聞部では7人の学生を校内から集め、彼らに怖い話を語ってもらおうと企画。かくして放課後の新聞部部室へ、7人の語り部と1人の聞き役が集まることとなる。しかし当日実際に新聞部部室へ集まったのは、聞き役を含めて7人だけだった。語り部が1人足りなかったのだ。

主人公の坂上修一は、鳴神学園の新聞部に所属する1年生だ。怖い話が苦手な坂上は、新聞部での企画会議の後、自身が「学校の七不思議」特集の担当にならずに済んだことに安堵していた。しかしその後、彼は新聞部の3年生日野の提案により「学校の七不思議」を担当。聞き役として、7人の語り手が集う集会へ参加することになってしまう。不穏な幕開けと共に、語り部である6人の男女による怪談話が繰り広げられていく。そして集会の終わりには、何かが待っているようだ。


新聞部の企画した「学校の七不思議」集会には、語り部として新堂誠/荒井昭二/風間望/細田友晴/岩下明美/福沢玲子の6名が参加している。主人公の坂上修一は、聞き役として進行を担当。語り部の話す順番を選び、彼らの話に耳を傾けていく。彼らの語る怪談はノベルゲーム形式になっており、立ち絵やCGによる演出と共に文章で怪談話が展開される。また本作では語り部たちによる6つの怪談が終わった後に、何らかの形で7番目の怪談と集会は終わりがやってくる。つまり、7つの怪談を聞き終わることで、エンディングを迎えられるわけだ。

ただし本作では語り部の話す順番や、怪談に対するリアクションなどの選択肢によって、怖い話の内容やその後の展開が多彩に変化する。具体的には、本作には80以上のシナリオと283種類のエンディングが存在。総テキスト量は100万字以上で、199種類の一枚絵CGも用意されている。本作でプレイヤーは、選択肢次第で複雑に変化していく七不思議集会を繰り返し、多数の怪談を聞いていくのだ。なおシナリオとしては、『アパシー学校であった怖い話1995特別編』本編の内容は、『学校であった怖い話~VNV~新装版』がベースとなっている。一方追加ディスクについては、『アパシーミッドナイト・コレクションvol.2』の鬼哭ノ章がベースになっているという。飯島多紀哉氏のツイートによれば、本作でしか遊べない書き下ろしシナリオや、『アパシー 鳴神学園七不思議』の元ネタになったシナリオも多数収録されているそうだ。

本作を手がけている七転び八転がりは、国内のクリエイター飯島多紀哉氏による創作同人サークルである。同氏は過去に、『学校であった怖い話』や『四八(仮)』などに携わってきた。七転び八転がりではそんな同氏により、『アパシー学校であった怖い話 極』や『アパシー荒井昭二』など、『学校であった怖い話』の関連作が同人ゲームとして展開されてきた。

本作『アパシー学校であった怖い話1995特別編』は、七転び八転がりから2009年にリリースされた作品だ。Steam版では、本作用の追加ディスクも収録した状態で配信となる。飯島多紀哉氏のツイートによると試行錯誤の結果、最初から追加ディスクが入った状態での配信になったそうだ。また内容としては、Steam版はPC向けに配信されてきた同作と同じバージョンとなるという。本作は現在BOOTHにてダウンロード版が配信されているが、同作がSteamからも購入可能になるわけだ。なお同サークルからは『アパシー学校であった怖い話 極』Steam版が2023年2月に配信開始されている。本作は同作の評判がよかったために、Steam版を配信することにしたそうだ。

『アパシー学校であった怖い話1995特別編』Steam版は、4月28日に配信開始予定だ。BOOTHではPC向けに本編が税込2000円、追加ディスクが税込1500円で配信中。設定資料集や攻略本も配信中となっている。また関連作としては、『アパシー鳴神学園霊怪記』が2024年発売予定。現在はゲーム実況者の稲葉百万鉄氏により、同氏と『アパシー鳴神学園霊怪記』がコラボした実況動画も公開されている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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