スクウェア・エニックスは4月25日、『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の配信ガイドラインを改訂した。ガイドラインの改訂により、エンディング部分を含めた本作の内容が配信可能となっている。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、実在する怪談「本所七不思議」にまつわる奇妙な事件が起こる、ホラーミステリーADVである。本作の舞台は、昭和後期の東京・墨田区。メインキャラクターの一人である興家彰吾は、墨田区で働く会社員だ。ある夜、彰吾は友人の福永葉子と共に、本所七不思議と関わりのある錦糸堀公園を調査していた。最近巷では蘇りの秘術が噂になっており、葉子が蘇りの秘術と本所七不思議に関わりがあると考えていたためだ。彰吾はそんなオカルト話を半信半疑で聞き流していたが、目の前で奇妙な出来事が次々に発生。呪い合い殺し合う凄惨な事件へと巻き込まれ、物語は複数の人物の事情が絡み合う群像劇として描かれていく。
本所七不思議にまつわる怪事件は、ポイント&クリック型のアドベンチャーゲームとして展開される。要素としては、背景に360度カメラで撮影されたグラフィックが用いられており、プレイヤーが周囲を見渡せるようになっている。また公式Twitterアカウントによると、本作のプレイ時間は10時間程度。ゲーム序盤からプレイヤーを作中世界へ引き込む、力の入った導入部分も特徴だろう。
本作は、2023年3月9日にNintendo Switch/PC(Steam)/iOS/Android向けに発売された作品だ。制作陣としては、ディレクターおよびシナリオを、『スクールガールストライカーズ』『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズに携わってきた石山貴也氏。キャラクターデザインを、『スクールガールストライカーズ』や『すばらしきこのせかい』シリーズに携わってきた小林元氏が担当している。またSteamのユーザーレビューでは、記事執筆時点で689件中96%の好評を得て、ステータス「圧倒的に好評」を獲得している。
そんなプレイヤーから支持されている本作であるが、本作の動画などでの利用にあたっては、エンディング部分の利用が制限されていた。具体的には、「解除」チャプター以降の、The End/To be Continued/Finといった表記が表示されたり自動的にタイトルへ戻されたりといった、物語の終了が示されるまでの区間の利用が制限されていた。4月25日のガイドライン改定後は、エンディング部分に対する制限が解除。ガイドラインの範囲内で、エンディング部分を含めた本作の実況動画や生放送が可能となったのだ。
商業のアドベンチャーゲームにおいては、配信が可能なタイトルも多数存在するものの、会社や作品の方針によって、厳しいガイドラインが設けられているケースも多数ある。たとえば、2021年8月に発売された『月姫 -A piece of blue glass moon-』においては、ほぼ全編のプレイ動画・生放送の公開が禁止。『ダンガンロンパ』シリーズにおいては、2022年12月に1作目『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の配信規制が撤廃されたものの、2作目以降は第1章のみプレイ動画の配信が可能となっている。同じスクウェア・エニックス作品としては、2022年5月発売の『春ゆきてレトロチカ』では、ネタバレを知ることなく作品を楽しんでもらうため「製品版におけるプレイ動画の公開や配信の全て、並びにその他ネタバレにつながる投稿」が禁止されていた。ストーリーに依るジャンルの性質もあったか、比較的厳しいガイドラインが設けられている印象だ。
一方、本作においては発売から1か月ほどで、エンディング部分を含めてのプレイ動画や生放送の配信が可能となったのだ。本作においては、発売時点からエンディング部分を除いては配信に寛容であったものの、制限がなくなったことでさらにプレイ動画や生配信で利用しやすくなるだろう。また本作とあわせて、4月25日には『春ゆきてレトロチカ』もガイドラインが改訂。四章リザルト画面より後の内容を除き、スクリーンショットや動画の公開が可能となっている。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、Nintendo Switch/PC(Steam)/iOS/Android向けに発売中。ガイドラインについては、公式サイト内にて公開中だ。