少女が霧をさまようゲーム『午前五時にピアノを弾く』Steamで5月2日無料配信へ。朝のお散歩で決断を重ねる、『ナツノカナタ』開発者新作
国内の個人開発者Kazuhide Oka氏は4月21日、『午前五時にピアノを弾く』を5月2日にリリースすると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。無料配信予定となっている。
『午前五時にピアノを弾く』は、少女が早朝の濃霧をさまよう、短編テキストADVである。本作の舞台は、朝の早い時間に時折濃い霧が立ち込める町だ。町の住人たちの間には、霧の濃い日に出かけて帰ってこなかったという類の噂話も囁かれており、霧の朝に出かける人はあまりいないのだという。一方、本作の主人公である少女は、霧が好きで霧の朝によく散歩に出ていた。彼女自身にも、霧が好きな理由はわからない。彼女はなにかに惹かれて、今日も霧の中をさまよい歩いていく。
主人公の少女は、幼い頃から山の中のログハウスに住み、霧と同じぐらいログハウスも気に入っている。しかし彼女は、別のところへの引っ越しが決まっていた。彼女は町で過ごした時間を忘れたくないと思いながら、霧の中を歩いて行くようだ。
ゲームプレイでは、少女は朝5時から奇怪な濃霧を歩く。少女は濃い霧の散歩中、ふかふかのベッドや小さなウサギ、明滅するネオンや足湯など、さまざまなモノに遭遇する。出会ったモノに対する行動によって、少女のパラメータが増減し、時間が経過する。たとえば古い城下町を見つけた際には、「町をぶらつく(時間+25/狂気+5)」か、「避けて通る(時間+10/狂気+2)」かを選択。少女に用意された眠気/渇き/狂気/充電の4種類のパラメーターが上限に達するとゲームオーバーになってしまうため、パラメーターの増減を考慮して選択肢を選び、8時を目指して歩き続けるのだ。
霧の中で少女は、時折アイテムを発見。アイテムとしては、選択の度に確率で眠気を減らす香辛料や、眠気の増減量をランダム化する青いサイコロ、充電を回復するソーラーパネルなど、パラメーターの増減に関わるモノが登場する。少女は、3つまでアイテムを所持可能。アイテムはゲームオーバーを迎えてもなくならないため、3つの組み合わせが霧の散策の鍵となりそうだ。
またストーリーでは、朝8時まで無事にさまよい歩くことで、少女の物語が進行する。ストーリーの中では、少女はコートを着た記憶喪失の男性とも遭遇し、彼も物語に関わってくるようだ。要素としては、複数のエンディングや難易度が存在。難易度イージーでは、ノーマルよりも選択肢による経過時間が大きくなるようだ。そのほか本作では、霧の中を歩くゲームプレイは淡々と進んでいく。テキストやイラスト、音楽などによって、少女の生きる世界や空気感が短編小説のように描かれるのだろう。
本作は、4名によって制作されているようだ。まずKazuhide Oka氏が企画・制作・シナリオを担当している。同氏は過去作としては、2022年8月に正式リリースされた『ナツノカナタ』にて、企画・制作・シナリオを担当していた。なお同作では、記事執筆時点でSteamのユーザーレビュー667件中96%の好評を得てステータス「圧倒的に好評」を獲得している。
また本作では、Aoki氏がイベントプランニング、フィーナ氏がキャラクターデザイン/メインビジュアル、奏乃-Kano-氏が楽曲を手がけている。なおKazuhide Oka氏のツイートによれば、本作は「霧の中をさまよい歩く少女が様々なものと出会い、思い出す、短編小説のようなゲーム」であるそうだ。
『午前五時にピアノを弾く』は、PC(Steam)向けに5月2日無料配信予定だ。