フランスのゲームイベントにて、『Wii Sports』のボウリングのシニア向け大会が開催された。優勝を飾ったのは96歳と63歳の2人からなるチーム。スペアやストライクを連発する好投を続け、決勝では2人あわせて288点ものスコアを記録した。
『Wii Sports』は2006年に発売されたWii向けスポーツゲーム。Wiiリモコンを用いて、テニス、ベースボール、ゴルフ、ボウリング、ボクシングの5種類のスポーツを楽しめる。モードによっては、最大4人まで参加して対戦することが可能だ。
このたびフランスにて、現地時間4月8日から11日にかけてさまざまなゲームの大会をおこなうオフラインイベント「Gamers Assembly Festival Édition」が開催された。同イベントでは『Wii Sports』のボウリング大会「Finale Trophées des Séniors SilverGeek」も実施。本大会はフランスの福祉団体「Silver Geek」が主催するシニア向け大会だ。見事優勝を飾ったのは96歳のJeannine Perraud氏および63歳のGilbert Ramirez氏からなる「Villa de Bury」チーム。大会の一部始終は以下の動画で確認できる。
大会は1ゲーム先取のトーナメント制で実施され、1回戦の1フレーム目を務めたのはJeannine氏。1投目は惜しくも9本となったものの、2投目で残り1本を倒してスペアを獲得。Gilbert氏と交代しながらJeannine氏は好投を続け、スペアやストライクを連発している。結果としてVilla de Buryチームはスコア120点を記録し、1回戦を勝利した。
Villa de Buryチームが決勝で対峙したのはTREMAチーム。TREMAチームは初戦でスコア154点を記録し、三つ巴の戦いを制した強豪だ。TREMAチームは両名1フレーム目からスペアを取った。一方のVilla de BuryチームはJeannine氏はスペアを取ったものの、Gilbert氏は8本を倒すにとどまった。その後もTREMAチームは着実にスコアを重ね、Villa de Buryチームは窮地に陥る。
しかし試合の最後には、Gilbert氏の勝負強さが炸裂した。10フレーム目の最初を飾ったGilbert氏は、なんと3連続ストライクを達成。続くJeannine氏もストライクとスペアを取って大きくスコアを伸ばし、Villa de Buryチームのスコアは合計288点となった。一方のTREMAチームもここまで堅実にスコアを積み重ねており、勝負の行方はわからぬまま。試合最後のフレームはTREMAチーム、御年86歳のCarlos氏だ。同氏は見事スペアを取ったのち、最後の1投に勝負をかける。8本のピンを倒し146点のスコアとなったものの、TREMAチームのスコアは287点。結果的にスコア差1の大接戦となり、Villa de Buryチームの勝利が決定した。会場は選手たちへの拍手喝采で大きな盛り上がりを見せ、Villa de BuryチームにはボウリングのピンにWiiリモコンをあしらったユニークなデザインの記念品が贈られた。
Silver Geekは2015年より、ほぼ毎年『Wii Sports』のボウリング大会「Trophée des Seniors」を開催してきた。同大会はフランス全土にわたっておこなわれ、地域ごとの決勝戦が各地の大会イベントで開催されるという。今回の「Gamers Assembly Festival Édition」における大会も、Nouvelle-Aquitaine地域圏での決勝大会。本大会で優勝したVilla de Buryチームには、さらなる高みとなる全国決勝大会への挑戦権も贈られたそうだ。
80歳を超えるシニア選手も多くみられた今回の大会。なかでも96歳のJeannine氏はひときわ高齢であり、年齢が紹介された際には会場から驚きの声も上がっていた。一方で年齢を感じさせない安定感のある好投を続け、Gilbert氏とともに優勝をつかみ取ったかたちだ。発売から16年以上が経つ『Wii Sports』にて、100歳近い高齢ゲーマーも含めたコミュニティ大会が毎年開催されている点は興味深い。本作のボウリングでの、腕または手首だけを用いるシンプルな操作性や、反射神経を要しない点などが高齢ゲーマー間での競技性を実現しているのだろう。今後の「Trophée des Seniors」の動向が気になる人は、Silver Geekの公式Twitterアカウントをチェックしておこう。