E3 2023主催トップ、開催中止理由を問われ答える。「今後は業界のニーズを理解し応えていく」と連呼

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ゲームイベントE3 2023の開催中止が、先日3月31日に発表された。2019年以来となるオフライン開催が今年6月に計画されていたが、実現は叶わなかった格好だ。主催の米ゲーム業界団体ESA(Entertainment Software Association)のCEO Stanley Pierre-Louis氏が3月31日、海外メディアGamesIndustry.bizのインタビューに答え、今年の開催を見送った背景を語った。

E3(Electronic Entertainment Expo)は、例年アメリカのロサンゼルス・コンベンションセンターで開催されてきた世界最大規模のゲームイベントだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年の開催は中止となり、2021年にはE3として初めてのオンラインイベントとして開催されるも、2022年にはふたたび全面中止に。そして今年は、PAXなどの大型イベントを手がける企業ReedPopに運営を託し、オンライン・オフライン双方での開催に向けて準備が進められてきたが、先日開催中止が発表された(関連記事)。

ESAのStanley Pierre-Louis氏はインタビューにて、これまでE3は主にゲーム業界のマーケティングやビジネスニーズに焦点を当てるイベントとして開催されてきたが、そうしたニーズはコロナ禍以前から変化を見せていたと語る。それに対応するために、一般消費者向けイベントを手がけるReedPopと提携。E3 2023への業界関係者やメディア、そしてゲームファンからの関心を集めることはできたものの、それでもまだ乗り越えるには大きすぎるハードルが存在したと振り返っている。

そのハードルとして同氏が挙げたのは、コロナ禍以降にみられるようになったという以下の3点。一つ目は、ゲーム開発のスケジュールを見直す企業が出てきたこと。二つ目は、経済的な逆風により大規模なマーケティングイベントへの投資を見直した企業の存在。そして三つ目は、対面のオフラインイベントとオンラインイベントのバランスを、各企業が模索し始めたことだそうだ。


E3 2023に関しては、今年に入ってから出展見送りを表明する企業が続々と現れた。そのなかには任天堂やマイクロソフトも含まれ、また以前からE3への出展を取りやめていたSIEも、引き続き見送りの立場であることが明らかに。コンソールメーカー3社が揃って不参加という事態が、開催中止の引き金のひとつになったようにも映る。Pierre-Louis氏は、E3にこの3社が必要かどうかについて聞かれ、明言を避けつつ「E3というグローバルプラットフォームにてマーケティングをおこなうことを希望する企業のニーズに応えていく」とだけ述べた。

同氏は今回のインタビューにて、先述したように環境が変化しているなかにおいて「業界のニーズを理解し応えていく」と繰り返しコメント。E3を来年2024年に復活させる計画について問われた際にも、業界のニーズを満たす最適なバランスを見出したうえで開催したいとし、業界に耳を傾けていく方針であるとした。

ESAは今回のE3 2023開催中止の発表に際し、将来のE3についてReedPopと共に改めて評価し直すと表明している。果たしてE3は来年こそ復活することができるのか、またもし開催されるにしてもどのような形式となるのか注目されそうだ。

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