カプコンとコロプラが“包括的な特許クロスライセンス契約”を締結


コロプラは3月31日、カプコンと包括的な特許クロスライセンス契約を締結したことを発表した。これにより、両社のもつ特許を広範に相互に利用可能になり、ゲーム開発の推進に繋がるという。

コロプラは『白猫プロジェクト』といったモバイル向け中心の作品を手がけている国内ゲーム企業だ。『アリス・ギア・アイギス』の展開や『ドラゴンクエストウォーク』の共同開発などでも知られている。また今年には『Volzerk : Monsters and Lands Unknown』をSteam向けに配信するなど、PC/コンソール向け展開にも意欲を見せている。一方のカプコンも、『ストリートファイター』や『バイオハザード』シリーズなどで知られる大手ゲーム会社である。

今回コロプラは、カプコンと包括的な特許クロスライセンス契約を締結することを明らかにした。これは、双方が保有するゲーム開発にまつわる特許を、相互に使用許諾する契約とのこと。両社のゲーム開発の自由度をさらに向上させ、より魅力的なコンテンツづくりを推進するための契約だという。

コロプラとカプコンについては、本契約に先立って2017年にも特許クロスライセンス契約を結んでいる。そちらはマルチプレイに関する分野の契約となり、その範囲は限定的であった(gamebiz)。今回の契約では、広範な両社特許を包括的に使用許諾しあう内容となっている。また、前回と今回どちらの発表でも、コロプラは知財権の相互利用がコンテンツづくりを推進させるとの旨をコメント。業界の発展への貢献といった目的について触れている。

『白猫プロジェクト』

なお、コロプラについては2021年にかけて任天堂から特許権侵害に関する訴訟を起こされ、33億円の和解金をコロプラ側が支払うことで合意に至っている(関連記事)。一方のカプコンについては、2019年にコーエーテクモゲームズを相手取った特許権侵害訴訟にて勝訴判決を得ている(カプコンIR資料)。知財権の運用について目立った動きのあった両社が、今回の契約をどのように作品づくりに活かしていくのかも注視したい。