『アイドルマスター』シリーズの坂上陽三氏が3月末で総合プロデューサーを退任へ。18年間関わってきたシリーズの顔

 

バンダイナムコエンターテインメントは3月22日、『アイドルマスター』シリーズの開発者・坂上陽三氏が、2023年3月末をもって総合プロデューサーより退任すると発表した。同氏はもともと2020年の15周年をひとつの節目と考えており、2023年に入って落ち着きを取り戻しつつある状況を受けて、退任を決断したそうだ。

動画「【アイマス】ガミPから重大報告!【アイドルマスター】」より


『アイドルマスター』シリーズは、2005年にリリースされたアーケード向け作品『THE IDOLM@STER(アイドルマスター)』を原点に展開されてきた作品群だ。コンソール向けの最新作としては、2021年にアイドルプロジェクトプロデュースゲーム『アイドルマスター スターリットシーズン』がリリースされている。また現在は765プロダクションのアイドルたち以外に、『アイドルマスターシンデレラガールズ』『アイドルマスター ミリオンライブ!』『アイドルマスター シャイニーカラーズ』『アイドルマスター SideM』の4ブランドが展開。複数のブランドで、さまざまなアイドルたちが活躍していることも特徴だろう。

今回退任が発表された坂上陽三氏は、総合プロデューサーとして長年『アイドルマスター』シリーズに関わってきたクリエイターだ。発表によれば、同氏はアーケード版『アイドルマスター』のロケテストから参加し、コンソール版からライブやアニメまで、さまざまな展開に関わってきた。

同氏はもともと、シリーズが15周年を迎える2020年を一つの節目として捉えていたそうだ。しかし、新型コロナウイルスにより世界が混乱し、『アイドルマスター』シリーズもさまざまな計画の変更や中止などを余儀なくされてしまう。そうした状況を受け、情勢が落ち着くまでということで、総合プロデューサーを継続。2023年に入り世界が落ち着きをつつある状況を受けて、改めて退任を決断したそうだ。

また今でも、アーケード版『アイドルマスター』ロケテストで、プロデューサー(プレイヤー)がプレイする様子が思い起こされるとのこと。最後のオーディションがうまくいかず、プロデューサーが声をあげて悔しがる姿が同氏にとって印象深かったようだ。そうした熱量や期待に応えられるようにと、考えてきたそうだ。18年間の活動の中では手探りなこともあったというが、同じ『アイドルマスター』の仲間として支えてくれたプロデューサーたちへ向けて、感謝も述べられている。

また坂上陽三氏の退任発表にあわせて、765プロダクションゼネラルマネージャーを務める波多野公士氏からも報告がおこなわれている。同氏によると、『アイドルマスター』が今後も愛される存在であり続けられるよう、プロジェクト一丸となって頑張っていきたいとのこと。また『アイドルマスター』シリーズでは、当面の間総合プロデューサーを立てることは予定しておらず、坂上氏の退任後は総合プロデューサーが空席となるようだ。