『Half-Life』向けMod「MMod」、Steam配信後すぐさま「圧倒的に好評」を獲得。開発期間2年、ロシアのウクライナ侵攻を乗り越えて


個人開発者のGunship Mark II氏は3月15日、『Half-Life』向けMod「Half-Life: MMod」(以下、MMod)のVersion 2を配信開始した。Steamにて無料配信されている。Steamユーザーレビューでは早くも「圧倒的に好評」ステータスを獲得。オリジナルの魅力を尊重しつつ、現代向けに調整されたゲームプレイが高い評価を受けている。

「MMod」Version 2は、傑作FPS『Half-Life』向けのファンメイドModだ。武器周りのシステムをブラッシュアップし、戦闘システムを拡張することが本Modの狙いとされている。Modの内容としては武器周りの調整のほか、敵AIの調整、多岐にわたるバグ修正など。またほとんどの内容は、ゲーム内の「MMod」用オプションメニューにて任意に切り替え可能となっている。

本ModはSteam向けに、日本時間3月15日に無料でリリース。リリース直後にはSteamの最大同時接続プレイヤー数が1027人を記録した(SteamDB)。Steamユーザーレビューでは439件中98%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得。1998年発売の『Half-Life』本編が必要となる、スタンドアロンではないModであることを踏まえるとなかなかの人気を博している。

本Modのレビューでは、オリジナルの『Half-Life』に忠実でありながら、戦闘システムやアニメーションなどさまざまな変化が盛り込まれている点が好評。オリジナルのゲームプレイが現代向けに遊びやすくなり、新鮮さをもたらしている点などが評価されている。


「MMod」はもともと、2012年12月にModDBにてリリースされた。多岐にわたるコンソール機能(Console Variables)のほか、爆発エフェクトの最適化や新たな武器などが盛り込まれた内容であった。そして、2020年8月には「MMod」初期版のリメイクとなるVersion 2の開発をおこなうことが発表された。このたび同バージョンが2年以上の開発期間を経て、Steam向けに配信されたかたちだ。

なお、「MMod」を開発したGunship Mark II氏は、ウクライナのマリウポリを拠点としている。つまり、本Modの開発中にロシアによるウクライナ侵攻が発生しているのだ。マリウポリもロシア軍による激しい打撃を受け、Gunship Mark II氏は疎開。2022年6月には、同氏が当時の厳しい体験を綴りつつ、本Mod開発継続の意思を表明していた。本Modは、戦禍を乗り越えて結実したわけだ。ウクライナ現地では今もロシア軍による攻撃が続いている。同氏がマリウポリに戻れる日が早く訪れるよう祈りたい。

なお『Half-Life』を刷新するという試みは、これまでにも公式・ファンメイド問わずおこなわれてきた。『Half-Life 2』のSource Engineを用いてリメイクした『Half-Life:Source』や、同エンジンを用いたファンメイドリメイクModと、そのスタンドアロン版である『Black Mesa』などが登場している。

『Half-Life』は、今年で発売から四半世紀を迎えるゲームだ。長き時を経ても、熱意あるファンによってさまざまな側面から刷新が試みられている点は注目すべきだろう。そうして打ち出された「MMod」Version 2の好調な船出からは、コミュニティでの根強い人気もうかがえる。Steamユーザーレビューでは初めてのプレイに本Modの導入を勧める声も多く、この機会に本Modで『Half-Life』デビューしてみるのもいいだろう。

『Half-Life』はPC(Steam)向けに発売中。現在Steamスプリングセールとして、90%オフの101円で提供されている。同作向けの「MMod」Version 2はSteamにて無料配信中だ。なお、『Half-Life 2』や『Portal』『Left 4 Dead』など人気シリーズ作品もセットになった「Valve Complete Pack」も96%オフの741円となっているため、単体よりこちらで購入した方がお得だろう。