『Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)』(以下、Wo Long)におけるとあるボスが“強くて楽しい”と注目を浴びている。そのボスというのが、「三国志演義」やさまざまな関連作品で猛将として知られる、呂布である。なお本稿はゲーム第四節以降の情報を含むため、留意してほしい。
『Wo Long』はコーエーテクモゲームスより発売されたダーク三國アクションRPG。開発はTeam NINJAが担当している。舞台は後漢末期の中国。プレイヤーは中国武術をコンセプトとした攻撃を振るいながら、三国志に名だたる英雄と出会い、群雄の動乱に巻き込まれていく。本作にはリトライを繰り返して攻略を進展させる“死にゲー”方式が採用されている。
そのほか戦闘では、敵の攻撃を受け流す「化勁」を駆使し、こちらの「氣勢」ゲージを保ちながら敵の氣勢を削ぐシステムが特徴となる。そして相手の氣勢を完全にそげば、強力な一撃「絶脈」を繰り出せる。
死にゲーを掲げる本作には強力なボスも複数登場。中でもその強さが注目を集めているのが、第四節で登場するボス「呂布」である。呂布とは、本作がもとにしている「三国志演義」にて最強と評されることの多い猛将。本作においてもその武勇を発揮しており、プレイヤーとは虎牢関ステージで激突することになる。
戦闘開始時の呂布は、愛馬である赤兎馬にまたがった状態。赤兎馬で駆け回りながら、通常攻撃や弓矢による遠距離攻撃、さらにはガード不能の「秘技」としてジャンプ攻撃や突進を繰り出してくる。氣勢ゲージを下限まで削りきることで、呂布を馬から降りさせることが可能。とはいえ馬を降りた状態でも強敵であり、引き続き秘技や遠距離攻撃を絡めた猛攻をしっかりと見極めなければならない。また、呂布はしばらくすると赤兎馬に乗りなおしてしまう。騎馬状態と下馬状態の2形態を切り替え続けるボスといえるだろう。
そんな呂布については、国内外のユーザーがその強さに言及している。海外掲示板Redditにて、「呂布はよく設計されたボス」とのスレッドが立てられ、142ほどのコメントが寄せられ議論が白熱している。スレッド内だけでも長時間呂布と戦い続けているというユーザーが複数見られ、多くのユーザーが苦戦しているようだ。
一方で呂布は強いだけでなく、戦っていて楽しいボスとしても評価されている。スレッドのユーザーは、呂布をいわゆるソウルライクなゲームでもっとも好きなボスのひとりと評価。戦っていて疲れてしまう面もあるものの、非常に楽しいボスとしている。スレッド内の一定数のユーザーたちが共感を示しているほか、国内ユーザー間でも呂布を“楽しいボス”としても評価する声は散見される。本作でもっとも楽しいボスとする意見も見られるほどだ。
では、呂布はなぜ戦っていて楽しいのだろうか。その理由は、呂布の攻略では基本だけでなく応用も重要となる点にあるかもしれない。まず、騎馬状態の呂布は、通常攻撃を化勁しても赤兎馬の機動力で逃げられてしまうため、秘技を的確に化勁で捌き続ける必要がある。基本である化勁を使いこなさなければ、馬から降ろすことさえままならないわけだ。
一方で下馬状態の呂布は通常攻撃が苛烈化し、化勁のタイミングが難しくなる。またいずれの状態でも遠距離攻撃は化勁が難しいため、化勁のタイミングが合わない場合に備えたガードも必要。化勁を狙う攻撃を絞り込んだり、化勁とガードを使い分けたりしながら氣勢ゲージの駆け引きを意識しなければならない呂布戦。速攻とディレイ攻撃の織り交ぜ。近距離と遠距離の織り交ぜ。ワンパターンではなく、かつ意地悪しすぎず攻略しがいがある。本作の基本であり持ち味でもある戦い方に向き合い、応用をきかせて上達する機会となる点が評価されているのだろう。
そのほか上記スレッド内では、仙術を有効活用して撃破したというユーザーも見られる。呂布が武器に炎をまとった際に消火することが可能な令水の仙術や、敵の攻撃に怯みにくくなる令土の仙術、こちらが攻撃で与えたダメージに応じて回復できる令木の仙術など。戦闘の腕前だけでなく、キャラのビルドでの対策が有効な点も呂布戦が好評な一因かもしれない。呂布戦までに身に着けた技術だけでなく、知識も総動員させて戦う楽しみをもたらしているのだろう。
いずれにせよ、本作『Wo Long』でも呂布の勇猛ぶりは描かれており、多くのプレイヤーを苦しめつつも楽しませている。呂布に苦戦している人は、ガードを絡めた戦い方や仙術の利用を試してみるのもいいだろう。“人中の呂布”を撃破し、戦いの行く末を自らの目で確かめてみてほしい。
『Wo Long』はPC(Steam/Microsoft Store)/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox Game Pass/PC Game Pass向けにも提供されている。