『スーパーマリオ64』さむいさむいマウンテンの通常取得不可キノコを死なずに得る方法が発見される。攻略の鍵は“3時間放置”

Image Credit: PaLiX _ on YouTube

スーパーマリオ64』にて、通常では入手不可能な1UPキノコを、死なずに取得する方法がTASを利用して発見された。この1UPキノコを死なずに入手するためには、尋常ではない連続壁ジャンプののち、約3時間放置する必要があるようだ。

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『スーパーマリオ64』は1996年6月にリリースされた3Dアクションゲーム。根強い人気をもつタイトルであり、発売から現在に至るまで熱心なユーザーたちにより長年の研究が続けられている。研究対象は多岐にわたるが、特に熱心に研究されているのは「取得不可能なアイテム」の取得である。『スーパーマリオ64』においては、ステージ上にさまざまなアイテムが設置されている。そしてアイテムの中には壁の中などに配置されている関係で、取得不可能なものもある。仮置きのまま忘れたなど、理由はそれぞれあるだろう。そうしたアイテムを、執念で取得しようとするプレイヤーたちがいるのだ。

やりこみプレイヤーAlexpalix1氏もまた、そのうちのひとり。同氏はTAS(Tool-Assisted Speedrun)を用いてさまざまな挑戦をしている。そして今回挑戦したのは、「さむいさむいマウンテン」のとある1UPキノコの取得を、“死亡せず”目指すという内容だ。さむいさむいマウンテンのトンネルコースにちょこんと存在する1UPキノコ。このキノコはトンネル内にあるものの、近づくと壁の外に逃げるタイプ。それゆえに、通常のプレイでは取得不可能だったのだ。

一方で、このキノコは“死亡しながら”という前提なら取得例がある。上の動画がプレイ例である。無理やり上から落ちながら取得するという試みがなされていたわけだ。そしてキノコを得つつ、生還するというのが今回のAlexpalix1氏の挑戦の趣旨である。では一体何をしたのだろうか。その一連の奇妙な行動を見てみよう。

動画においては、開始早々GWK(グリッチウォールキック)なるグリッチを用いて、壁抜けしステージ下の部屋に移動。トンネルレースのゴール部屋の上段にたどり着いたわけだ。ここからひたすら部屋の壁と壁の間を壁ジャンプで往復し続けている。なんともシュールな光景だ。次第にジャンプのスピードと高度を増していくマリオ。部屋の天井付近で目にもとまらぬ反復ジャンプを繰り返すこと約1分半。マリオは壁に張り付いて動きを止めてしまった。なんとマリオはこのまま上昇している。

ここからはフレームを早送り。右上に表示されているフレーム数(Frame)と速度がぐんぐんと増加していく。そして壁に張り付いていたマリオはなぜか天井を突き破って上昇。経過時間表示が99分59秒でカウントストップした後も上昇を続け、約31万4000フレーム(約175分相当)にて停止した。その後瞬時に壁の中へめり込み、1UPキノコがある空洞へとワープ。経過フレーム上では約3時間かけて1UPキノコひとつの取得に成功した。

今回の挑戦によって、死なずに(Without Dying)この1UPキノコの入手に成功したわけだ。結果的には、すさまじい勢いの連続壁ジャンプをこなし、マリオが天井を突き破って上昇し続けるのを約3時間待てば、死なずにこの1UPキノコを入手できることが示された。

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なお今回の動画では、「Pedro Spot」と呼ばれる特殊な場所が利用されているという。Pedro Spotに着地したマリオは、空中での落下ポーズのままとどまる。今回の動画の1分30秒ごろの壁に張り付いたようなマリオは、Pedro Spotに着地しているのだろう。この状態では壁を勢いよくすり抜ける現象を引き起こすことが可能とみられ、今回の動画にも応用されているわけだ。

リリースから26年以上を経てもなおユーザーによる研究が進められている『スーパーマリオ64』。今回はTASを利用して、通常プレイでは入手できない1UPキノコを、死なずに入手するという手法が新たに発見された。壁キックしまくった後、3時間待つという奇天烈な手法は、ある意味では『スーパーマリオ64』らしくもある(関連記事)。今後もユーザーの熱意と執念が、マリオの限界を押し広げていくかもしれない。