オープンワールド西部劇ゲーム『Wild West Dynasty』、不評率81%の「非常に不評」スタートとなりつまづく。苦しいローンチに

パブリッシャーのToplitz Productionsは2月17日、西部劇ライフシム『Wild West Dynasty』を早期アクセス配信開始した。Steamユーザーレビューではさまざまな課題点が指摘され、多数の不評が投じられている。

パブリッシャーのToplitz Productionsは2月17日、『Wild West Dynasty』を早期アクセス配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)。

『Wild West Dynasty』は、一人プレイ向けの西部劇ライフシムだ。本作の舞台となるのは19世紀、西部開拓時代のアメリカ。人々はアメリカ大陸の東側からフロンティアを拡げ、はるかな大地を横断して太平洋に向かっていた。プレイヤーは孤高のカウボーイとして新大陸の土を踏む。打ち捨てられた農場を発見した主人公は、腰を落ち着け、新たな居住地の開発に挑むことになる。

ゲームプレイにおいてはHunger(空腹値)やThirst(渇き)といったステータスのほか、寒さや暑さへの対処も必要なサバイバル要素が存在。厳しい自然をクラフトや建築を通して生き延びるのだ。また、本作はスキルツリーで能力を得るRPG的要素も存在。人々と会話しながら展開するストーリー要素も盛り込まれている。


本作は本日2月17日に早期アクセス配信開始された。配信後まもない本稿執筆時点で、Steamユーザーレビューにおいては324件中19%の好評となり「非常に不評」ステータス。ユーザーからは多岐にわたる課題点が指摘されている。建築やキャラのレベルアップなど、さまざまな場面におけるバグの多さ。また設定ができないうえ操作性が悪いキー配置。グラフィック品質の低さや、キャラのモーションの不自然さ。さらにはサウンドの安っぽさ、NPCの動きのパターンの単調さなど、数多くの課題点が挙げられている状況だ。また動作の不安定さも指摘されている。最適化不足によるフレームレートの低さのほか、一部環境ではクラッシュが頻発するとの報告もある。

本作販売元のToplitz Productionsは、中世ヨーロッパを舞台とした集落建設ライフシム『Medieval Dynasty』などを手がけている。同作は2020年9月に早期アクセス配信開始。2021年9月に正式リリースを経て、本稿執筆現在では2万4000件を超えるSteamユーザーレビューを集め、うち90%が好評とする「非常に好評」ステータス。人気かつ好評を博すタイトルといえる。なお『Medieval Dynasty』の開発元はRender Cube。本作『Wild West Dynasty』の開発元Moon Punch Studioとは別のスタジオだ。またMoon Punch Studioにとって本作は初の作品とみられる。

開発元は違うものの、Toplitz Productionsが販売する集落建設ライフシムという共通点から『Wild West Dynasty』への期待値も高かったことだろう。Steamユーザーレビューにおいても、『Medieval Dynasty』と比較して本作の品質の低さを指摘する意見が散見される。ユーザーの望んでいた水準の高さが、現状の不評の多さにつながった側面もありそうだ。


なおSteamフォーラムには、本作に不評がうずまくことを心配したユーザーが早期アクセス配信前にスレッドを投稿している。同ユーザーは『Medieval Dynasty』も早期アクセスにて配信開始され、プレイヤーのフィードバックを受けてブラッシュアップを経てきた点に言及。早期アクセス配信中のゲームにレビューする際には、未完成のゲームである点を念頭に置いてレビューすべきとの意見を述べている。Steamユーザーレビューにおいても早期アクセス配信である点を踏まえて、今後のブラッシュアップを期待する声は一定数見られる。

本作の早期アクセス配信期間としては約1年間が見込まれている。フィードバックを受け、正式リリースに向けて数多く挙げられている課題点の見直しも進められていくことだろう。「非常に不評」から始まった本作Steamユーザーレビューの評価ステータスが持ち直すかは、開発元の今後の対応にかかっているといえる。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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