韓国KRAFTONは2月8日、投資家向けに2022年第4四半期および同年度全体の決算報告書を公開した。同報告書のなかでは、同社が手がける今後のタイトルについても言及。そのなかで『Escape From Tarkov』に代表されるような、脱出シュータージャンルの作品の制作が明かされている。
KRAFTONは、韓国を拠点とするゲーム企業だ。バトルロイヤルゲーム『PUBG: BATTLEGROUNDS(以下、PUBG)』を手がけるPUBG Studiosや、海洋サバイバルゲーム『Subnautica』を手がけるUnknown Worldsなど複数スタジオを傘下におさめる。また、先日リリースされたホラーゲーム『The Callisto Protocol』のパブリッシングを手がけている。
今回公開された決算報告書では、2022年度における同社の業績のほか、今後展開されていくタイトルを含む展望について説明されている(資料PDF)。開発が伝えられていた『Subnautica』新作や、欧米をターゲットにしたサービス運営型ゲームとして計画されているというPvPvEアクションアドベンチャー『Project GoldRush』などが紹介。そのなかで新たに明かされたのが、『Project BlackBudget』と仮題された作品の開発だ。
『Project BlackBudget』は、開発ジャンルとして「脱出シューター(Extraction Shooter)」を掲げている。配信などで人気を博す『Escape From Tarkov』に代表され、『The Cycle: Frontier』や『Dark and Darker』など同ジャンルの作品が増えつつある。決算報告書では、「PvPvEオープンワールドで、予測のつかないエキサイティングな体験を届ける」と説明されている。
また、同プロジェクトは『PUBG』の開発・運営経験を生かして同ジャンルでヒットを狙うとの旨が語られており、PUBG Studiosが手がけることが示唆されている。『PUBG』といえば、バトルロイヤルジャンルで一時代を築いた作品である。ゲームプレイとしては脱出シューターと共通する点もあり、『PUBG』のテイストを引き継ぐような作品となるかもしれない。なお、展開プラットフォームとしてはPC/コンソール/モバイルとされており、マルチプラットフォーム展開が予定されているそうだ。
今回の決算報告書では、ほかにも同社がカナダ・モントリオールに新スタジオKRAFTON Montreal Studioを設立したことが告知。『Far Cry 4』以降のシリーズ作品でディレクターなどを努めたPatrik Methe氏をディレクターとして、新作が開発中と伝えられている。こちらは韓国ファンタジー小説「The Bird That Drinks Tears」を題材とし、グローバル展開されるハイクオリティ作品になるという。また、『PUBG』が基本プレイ無料化後、PC/コンソールにて4500万人の新規プレイヤーを獲得したことなどが伝えられている。