『世界樹の迷宮』新作はまだ時間がかかりそう。『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』記念放送内で開発スタッフが情報明かす

アトラスは2月9日、『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』発売決定を記念した番組を生放送した。開発スタッフによると、新たな『世界樹の迷宮』を作るには、まだまだ時間がかかるそうだ。

アトラスは2月9日、『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』発売決定を記念した番組を生放送した。番組内では、開発スタッフから冒険者(プレイヤー)へ向けたコメントも公開。新たな『世界樹の迷宮』を作るには、まだまだ時間がかかるそうだ。


『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』は、アトラスの手がける3DダンジョンRPG『世界樹の迷宮』シリーズ初期3作のHDリマスター版である。

リマスターされる内、『世界樹の迷宮』は2007年1月にアトラスより発売されたニンテンドーDS向けタイトルだ。本作の舞台であるエトリアは、かつて何の変哲もない小さな街だった。ある日、エトリアの街外れで巨大な大地の裂け目が発見される。裂け目の先には、地の底まで続くのではないかという深淵な巨大地下樹海の迷宮が広がっており、未知の脅威と莫大な財宝が眠っていたのだった。現在エトリアには、富や名声を求め、大陸中から冒険者たちが集う。本作でプレイヤーは、そんな冒険者の1人としてエトリアを訪問。パーティーを結成し、地下樹海の迷宮へと挑戦することとなる。


冒険者であるプレイヤーは、最大5名のパーティーを編成し、迷宮へ挑む。キャラクターにはソードマン/レンジャー/パラディンなど、9種類のクラスが存在。クラスと外見を組み合わせて仲間を作成し、好みのパーティーを編成していくのだ。ただし冒険者たちの挑む巨大な地下樹海には、多くの脅威が待ち構えている。マップ上を徘徊する強敵F.O.E、気を抜けばパーティーが壊滅するランダムエンカウントの敵、選択を誤ると窮地に陥るイベントなど、迷宮内は常に死と隣合わせ。慎重さを欠けば、全滅は必至である。そこで冒険者たちは自らを鍛え上げ、迷宮の地図を作り、少しずつ迷宮の探索を進む。

地図の作成では一部オートマッピングが用意されているものの、プレイヤーが壁や地面、隠された近道や強敵との接触を避けられるルート、注意事項などを記入。迷宮を攻略するための地図を自ら書き上げることで、少しずつ迷宮内を進むわけだ。またスキルツリーやレベルアップによって、パーティーメンバーの戦闘力も強化。死と隣合わせの冒険が描かれていく。シリーズ2作目の『世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯』では、新クラスが追加され新たな物語が描かれる。さらに3作目の『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』では、新システム・サブクラスや大海原を冒険するモード「大航海」が登場。緊張感のあるダンジョンの探索や戦闘といった要素はそのまま、異なる舞台での冒険が展開されてきた。


『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』では、『世界樹の迷宮』『世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯』『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』の3作がHDリマスター化されている。グラフィック面では、ダンジョンの3Dグラフィックが高精度になり、キャラクターやモンスターなどのイラストも精細化。バトルのエフェクトもブラッシュアップされており、オリジナル版より強化された画面で本作が遊べるという。

また本作では、全職業のイラストが1種類ずつ新規追加。各クラスのイラストが5種類となり、他クラスの外見も選択可能になったことで、キャラメイクの自由度が向上している。変更点としては、従来の難易度をEXPERTとして難易度が3段階から選べるほか、オートマッピング機能の強化やセーブスロット数の増加、大航海クエストのオンラインプレイに対応。『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』については、オリジナル版では使い回しだった第六階層の戦闘曲が、古代祐三氏による新曲へと変更されているという。遊びやすく綺麗に進化しつつ、新規要素も加えたHDリマスターというわけだ。

ところで『世界樹の迷宮』シリーズでは、ニンテンドー3DS最後の世界樹と謳われた『世界樹の迷宮X』以降、シリーズの新作が発売されていない。2018年7月には、「SQ、胎動。」(SQは世界樹の迷宮の略称)なる新作のティザーらしき動画が公開されていたものの、2023年現在でも新作の情報は明かされていないままだ。

そんな中、2月9日に放送された『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』発売決定番組では、新作に関しても少しだけ触れられた。番組内の57分ごろより紹介された開発スタッフから冒険者へ向けたコメントによれば、「2画面のDS(ニンテンドーDS/3DS)からハードが変わり、新たな『世界樹の迷宮』を作るためには、まだ時間がかかりそうというのが正直なところ」なのだという。表立った動きこそないものの、新作に向けた準備は着実に進められているのだろう。また同コメントによると、今回のリマスターは研究を重ねる過程で、遊べなくなった原点の3作を、現行機で遊んでほしいというコンセプトで制作したもの。今回のリマスターを遊んでいただけた声は、新作にも活かしたいという。今回のリマスター版に続いて、シリーズの新作にも期待したいところだ。

世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』は、Nintendo Switch/PC(Steam)向けに6月1日配信開始予定。通常価格は、3作セットが税込8980円。各タイトル単体は税込4467円となっている。またNintendo Switch向けには、タッチペンが付属する初回生産限定パッケージ版も発売される。


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Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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