『マインクラフト』内でなぜか『ゼルダの伝説』を作ったユーザー現る。謎技術でトライフォース1個ゲットまで遊べる

『マインクラフト』にて、ファミリーコンピューター版『ゼルダの伝説』を忠実に再現したユーザーが現れた。やや規模は小さめながら、プレイアブルなゲームとして忠実に再現している。

マインクラフト』にて、ファミリーコンピューター(ディスクシステム)版『ゼルダの伝説』を忠実に再現したユーザーが現れた。2Dドット絵の同作を、3Dグラフィックの『マインクラフト』世界の中に構築。やや規模は小さめながら、ソードを使った戦闘やダンジョン攻略なども可能な、プレイアブルなゲームとして忠実に再現している。

『マインクラフト』は、人気のクラフトサンドボックスゲーム。プレイヤーは世界を探索し、素材を収集し、道具を作って行動の幅を広げていく。世界はさまざまな種類の3Dブロックで構築されており、破壊と創造を繰り返してプレイヤーが思い通りに冒険や建築を繰り広げていく。

そんな『マインクラフト』内に、『ゼルダの伝説』を再現したのはクリエイターのC1OUS3R氏。同氏がもとにしたのは、1986年に発売されたファミリーコンピューター(ディスクシステム)向け『ゼルダの伝説』だ。2Dドット絵で描かれた見下ろし視点の同作を、3Dグラフィックの『マインクラフト』にて見事に一部再現している。

今回C1OUS3R氏が公開した動画においては、C1OUS3R氏の友人たちが『マインクラフト』内再現版の『ゼルダの伝説』をプレイ。ファミリーコンピューターの『ゼルダの伝説』のグラフィックやゲームプレイがかなり精巧に再現されていることが確認できる。リンクがソードを振るう戦闘システムや、カギを拾いながらダンジョンを攻略するシステムも用意。画面下のUI表示がなければ、『マインクラフト』をプレイしているとは思えないほどだ。

C1OUS3R氏によると、同氏の制作した『マインクラフト』内再現版の『ゼルダの伝説』では、ほかのModやリソースパックなどを一切使用していないという。同氏は制作時に、『マインクラフト』のassetsフォルダにあるjson形式のファイルからブロックモデルを直接編集。オリジナルのリソースをそのまま改変しているため、ほかに追加のデータなどを必要とせずに『ゼルダの伝説』の再現ワールドが読み込まれるそうだ。

C1OUS3R氏は、再現版『ゼルダの伝説』におけるドット絵の2Dモデルを、3DモデリングソフトBlockbenchにて制作したとのこと。再現版におけるリンクは下の画像のように構築されており、向きに応じて動く2Dドット絵のように見えるわけだ。なおこのモデルは『マインクラフト』におけるくり抜かれたカボチャの被り物に適用されているとのこと。操作キャラ本体は透明になり、かぼちゃ頭に割り当てられたリンクのモデルのみが表示される仕組みのようだ。


Image Credit: C1OUS3R on YouTube


なお『マインクラフト』で『ゼルダの伝説』を再現するにあたり、ジャンプとスプリントを無効化しなければならない点は課題であったという。まずジャンプの無効化については、プレイヤーに跳躍力上昇(Jump Boost)を付与することで解決しているそうだ。跳躍力上昇効果は、コマンドなどできわめて高い値を設定することでプレイヤーによるジャンプが不能になる。これを応用してリンクのジャンプを封印しているわけだ。

そしてダッシュの無効化については、プレイヤーのBlindness状態が利用されているという。この状態ではゲーム画面の視界が黒く覆われて狭まり、ダッシュが不可能になる。この状態をプレイヤーに恒久的に付与する設定によって、ダッシュの封印が可能になっているそうだ。ただしその際、Blindness状態におけるゲーム画面の視界が狭まる効果についても対処が必要になる。この問題については、assetsフォルダ内のシェーダーを変更することで解決されているとのことだ。

ちなみに空腹値の低下によるダッシュ封じも検討されたという。しかし、再現版『ゼルダの伝説』はピースフルモードに設定されているため空腹値でダッシュを封印することができないそうだ。またC1OUS3R氏の制作手法においては、プレイヤーの空腹値を編集する方法もないとのこと。

Image Credit: C1OUS3R on YouTube


なお『ゼルダの伝説』にはさまざまな種類の敵が出現する。それを網羅することはできないため、C1OUS3R氏の再現版では主要な数種類の敵のみを登場させているとのこと。また敵のAIについては、Unityで『ゼルダの伝説』を再現しているユーザーが投稿した動画を参考にしているそうだ。

C1OUS3R氏は、過去にも『マインクラフト』内で名作ゲームを再現してきた人物。『スーパーマリオブラザーズ』や『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』といったタイトルを、Modなどを利用せず再現。『マインクラフト』Java Editionにてプレイできるワールドとして公開している。さまざまな工夫を凝らして再現された今回の再現版『ゼルダの伝説』にも、同氏の知見が活かされているわけだ。またUnityで『ゼルダの伝説』再現を試みるユーザーのノウハウが、『マインクラフト』内再現で参考にされている点も興味深いところだろう。

なお今回の再現版『ゼルダの伝説』は、動画の「高く評価」数が5000を突破した際に無料配布される予定だそうだ。興味のある人はC1OUS3R氏のYouTubeチャンネルTwitterアカウントをチェックしておくといいだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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