サバイバルホラー『ラブラブスクールデイズ』Steamにて2月6日配信へ。“ヒロインから逃げ延びる”恋愛ゲーム世界からの脱出

OTL GAMEは2月3日、『ラブラブスクールデイズ(Love Love School Days)』を2月6日に配信開始すると発表した。狂ってしまった恋愛ゲームから脱出する、サバイバルホラーゲームである。

国内の個人ゲームデベロッパーOTL GAMEは2月3日、『ラブラブスクールデイズ(Love Love School Days)』を2月6日に配信開始すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。価格は税込620円となっている。

『ラブラブスクールデイズ』は、狂ってしまった恋愛ゲームから脱出する、サバイバルホラーゲームである。本作の舞台は、次世代VRデバイス「ブレインリンク」が発売され、脳派とのシンクロによりゲーム世界へ入れるようになった時代。主人公はブレインリンクを使い、プレイヤーとして「ラブラブスクールデイズ」を遊んでいた。

作中世界における「ラブラブスクールデイズ」は、AI搭載ヒロインが攻略対象として複数登場する、学園恋愛シミュレーションゲームである。主人公は、同作のメインヒロインを目当てにプレイを進めていたが、攻略に失敗したため別のヒロインへ移行。サブヒロインの1人・桜咲マキナとエンディングを迎えた後、ニューゲームを選んで新たな学園生活を送ろうとしていた。しかし、そこでエラーが発生。気がつくと主人公は、夜の学校の教室にやってきていた。「ラブラブスクールデイズ」内の学校のようであるが、桜咲マキナがほかのヒロインへ暴行を加えているなど、何やら様子がおかしい。主人公は、暴走したAI搭載型ヒロインと対峙することとなる。


主人公は現実世界への生還を目指して、桜咲マキナの徘徊する夜の学校を探索していく。主人公の脅威となる桜咲マキナには、学園恋愛ゲームのキャラクターらしい性質が用意されている。たとえば桜咲マキナは、一定時間主人公に会っていないと唐突に出現し、主人公をどこまでも追いかけてくるという。ほかにも時間が経過すると、学校の時間割に応じて行動が変化。運動会では実況アナウンスと共に走り続け、物理の時間には足音が聞こえなくなる。

一方本作では、プレイヤー側にも逃走やロッカーへの潜伏以外に、独特の撃退方法が用意されている。具体的に桜咲マキナは、カメラを向けるとついポーズをとり、食パンを与えると食パンを口にくわえ、プレゼントをあげると好感度が上がる。学園モノのキャラクターらしい、厄介な性質や愛嬌が備わっているのだ。桜咲マキナには、作中の設定として学習型のAIが搭載されているためか、ゲームの進行に応じてパワーアップし、行動パターンが増えるシステムも採用されている。


ランダムに生成された校内には、誰かの書いたメモや生き残りのヒロインなど、脱出の手がかりが残されている。アイテムには、撃退用の道具以外に、脱出のカギとなるモノも存在。本作では、桜咲マキナの追跡を逃れながら、脱出に向けてアイテムを集めていくわけだ。要素としては3段階の難易度が搭載。マルチエンディングが採用されており、プレイヤーの行動によって8種類の結末にたどり着けるという。

本作では追ってくる相手が美少女キャラクターであり、学校内も明るめとなっているため、恐怖は控えめに感じられる。ただし本作は単に恐怖要素が薄いわけではなく、恋愛ゲームがホラーゲームに転じたというコンセプトに沿っているように思う。ヒロインであり追跡者でもある桜咲マキナには、ホラーゲームになっても恋愛ゲームの性質が残されている。少し触った限りでは、恋愛ゲームのAIが暴走してしまったらというシチュエーションに即した内容や、ホラーゲームらしからぬ演出が好感触だった。


本作を開発しているOTL GAMEは、国内の個人ゲーム開発者である岡野氏によるレーベルだ。過去作としては、学園生活シミュ『スクールライフシミュレーター』やホラーゲーム『DeadBreath』などがあげられる。本作においては2021年より、itch.ioで体験版が配信されてきた。今回記事執筆にあたって先行して製品版をプレイした限りでは、コンセプトこそ変わっていないものの、ゲーム内の多くの要素がブラッシュアップされていた。グラフィックの変更やボイスの追加などにとどまらず、ゲーム全体に磨きがかけられてきたようだ。

『ラブラブスクールデイズ』は、PC(Steam)向けに2月6日配信開始予定。価格は税込620円となっている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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