『Metro Exodus』PC版向け開発キット無料配信開始。開発環境の一部がまるごと収録の大サービスキット

4A Gamesは1月25日、『Metro Exodus(メトロ エクソダス)』PC版向けの開発キット「Exodus SDK」を無料で配信開始した。『Metro Exodus』および『Metro Exodus Enhanced Edition』向けのModを誰でも制作できるキットとなっている。

4A Gamesは1月25日、『Metro Exodus(メトロ エクソダス)』PC版向けの開発キット「Exodus SDK」を無料で配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store)。


『Metro Exodus』は2019年にリリースされた、『Metro』シリーズの最新作。同シリーズは、核戦争後のロシアを舞台としたポスト・アポカリプスFPS。ドミトリー・グルホフスキー氏の小説「Metro」3部作を原作としている。『メトロ エクソダス』では、荒廃したモスクワの街から脱出した主人公アルチョムの、大陸を股にかけた壮大な冒険が描かれる。

今回、本作PC版向けに開発キット「Exodus SDK」が無料で配信開始された。個人または非商用利用にかぎり、『Metro Exodus』および『Metro Exodus Enhanced Edition』向けのModを誰でも制作できるキットとなっている。本キットにはコーディングを必要としない直感的な開発が可能なVisual Script Editorが収録。本機能でも複雑なゲームプレイ要素や、AI挙動のスクリプトを作成可能とのことだ。

そのほか「Exodus SDK」には、開発元4A Gamesのデザイナー/アーティスト/アニメーターが利用していた環境がすべて用意されているという。NPCやオブジェクトといったステージデザインが可能なScene Editor、モデルやテクスチャ、アニメーションを編集可能なModel Editor/Viewer、地形を編集できるTerrain Editorなどの機能が搭載されているとのことだ。ModプラットフォームMod.ioのサポートも統合されており、コンテンツの管理や共有も容易におこなえるとされている。なお本キットは、商業目的または営利目的での使用や配布などが認められていないため、留意されたい。


なお本キットの発表および配信開始に際し、4A Games公式サイトにて開発者ブログが更新された。4A Gamesはマルタ共和国、およびウクライナのキーウにスタジオをもつ。開発チームの大部分はウクライナ人であり、依然としてロシアのウクライナ侵攻による大きな影響を受けているという。

そうした苦境においても、チームは『Metro』シリーズ次回作の開発に取り組んでいるそうだ。シリーズではこれまで政治的・反戦的なメッセージを含む物語が描かれてきた。開発元は、紛争や抑圧といったシリーズのテーマが、今回の戦争によりチームの日常生活の一部と化した点に言及。こうした状況は、次回作の物語を再考するきっかけになっているという。現在開発チームが送っている戦時下の生活が、必然的に次回作にも反映されているとのことだ。

なおシリーズ次回作について現時点ではさらなる詳細が明かせないため、それに代わる年始のサプライズとして「Exodus SDK」が公開された形となるそうだ。Mod制作から共有まで快適におこなえる本ツールの登場で、『Metro Exodus』のコミュニティは盛り上がりを見せるかもしれない。懸命に開発のつづく次回作を待つ間、この機会に『Metro Exodus』を改めて遊んでおくのもいいだろう。


『Metro Exodus』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|Sにて発売中。「Exodus SDK」は、PC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)向けに無料配信中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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