『エルデンリング』を“脳波”で操作するプレイヤー現る。魔術に必要なのは科学

『エルデンリング』にて手足などを使わずにゲームを操作するプレイヤーが現れた。脳波を検知する機器を装着し、“念じる”だけでゲーム内で魔法を放っている。

エルデンリング』にて手足などを使わずにゲームを操作するプレイヤーが現れた。脳波を検知する機器を装着し、“念じる”だけでゲーム内で魔法を放っている。インフルエンサーのJake Lucky氏などが紹介している。

Image Credit: Perrikaryal on Twitch

今回、本作に向けた画期的なコントローラーを披露しているのはTwitchストリーマーのPerrikaryal氏。同氏は1月14日より“精神(mind)”で『エルデンリング』をプレイする生配信を実施。そして1月22日の配信にて、“精神”で本作をプレイしていることを改めて視聴者に示している。

Perrikaryal氏は“精神”で本作をプレイしていることを信用しないユーザーから数多くのメッセージを受け取っているという。そうした疑いを晴らすために、最後の証明をおこなうと宣言。同氏は椅子から立ち上がり、カメラに全身を収めた状態で足に操作機器がなくダンスパッドなども敷いていないことを強調。画面に集中し、念じるような素振りを見せると画面内のキャラが魔法を放った。少なくともカメラに写った範囲には操作機器がない状態で、同氏がゲームを操作したと見られるわけだ。

なお“精神”で操作しているとするものの、Perrikaryal氏は超能力者を自称しているわけではない。直近の配信タイトルではゲームの操作にEEGを用いていることが明記されている。EEG(Electro Encephalo Graphy)とは頭に電極を装着し、さまざまな脳波、つまり脳内の電気活動を記録する検査法(岡山大学病院)。同氏は頭に黒い器具を装着しており、これがEEGに用いる機器と見られる。

Perrikaryal氏の“脳波コントローラー”は特定の脳波を識別した際、攻撃入力をおこなうように設定されているとのこと。つまり脳波で入力できるのは攻撃のみであり、移動などは通常操作でおこなっているわけだろう。なお脳波の測定から入力受付までには、一定の遅延が発生するとのこと。一方で同氏のプレイにおける攻撃タイミングはなかなか的確。攻撃のタイミングがそれほどシビアでない魔術主体のキャラであれば、脳波コントローラーでも十分攻略が可能そうだ。

なおPerrikaryal氏によれば、さまざまな脳波にゲームの操作入力をそれぞれ結びつけ、各操作をおこなうためにはかなりの訓練や調整が必要になるという。現状では脳波コントローラーだけを用いてゲームを遊ぶのは極めて困難といえそうだ。

ちなみにPerrikaryal氏は心理学の修士号を有しているとのこと。EEGの機器を扱えるのもそのためだろう。なお、EEGをゲームの操作に用いる実験は過去にも存在する。そうした技術を人気の高難易度ゲーム『エルデンリング』の操作に用いるという同氏のユニークな試みは、改めて衆目を集めているわけだ。同氏は配信にて、ほかの人も科学のために脳波コントローラーの実験や研究をおこなってほしいとの想いを述べている。今後の研究次第で、脳波コントローラーがさらなる発展を遂げる日はくるかもしれない。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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