『原神』の一部ファンの間で、とある疑問が話題となっている。本作のトレイラーのなかで、本作屈指の小柄なキャラである七七(ナナ)が、男性キャラ魈(ショウ)を「背負って運んだ」と発言。どのように運んだのかさまざまな想像が巡らされ、“運搬風景”の想像図が盛んに描かれるなどネットミーム化の兆しを見せている。
『原神』は、HoYoverseが展開する基本プレイ無料のオープンワールドゲームだ。本作では定期的なアップデートにより新コンテンツやプレイアブルキャラクターが追加。先日には新アップデートVer.3.4が1月18日にリリースされることが告知され、配信に向けてさまざまな情報や映像が公開されている。1月13日には、物語の一端を伝えるトレイラー「諸苦無隙」がお披露目された。
同トレイラーでは、プレイアブルキャラのひとりである魈が登場。前半では彼が“業障”との闘いの末に昏倒し、薬舗「不卜盧(ふぼくろ)」に運び込まれて意識を取り戻す様子が描かれる。トレイラー後半ではさらに魈について掘り下げられるものの、一部ファンはそれ以前の部分が気になったようだ。別のトレイラー登場キャラ七七が言い放った「背負ってあげた(英語版ではI carried you here on my back)」とのセリフである。魈を背負って運んだとする彼女は、本作でも屈指の小柄なキャラ。そのため「体格差のある魈をどのようにして運んだのか」が話題になっているのだ。
*該当のトレイラー。「背負ってあげた」と語る七七は動画1分39秒頃から
動画の公開後、描かれなかった「魈運搬シーン」について考えるユーザーが続出。方法としては主に「引きずって運搬した」「魈をコンパクトにして担いだ」「転がした」などが考えられているようで、運搬シーンの想像図をファンアートとして描き上げ、公開する者も多数発生した。こうした動きは海外ユーザーを中心に広く波及し、Kotakuといった海外メディアが取り上げるに至っている。
ここで、運搬者である七七と、運ばれた魈の体格や能力を振り返りたい。まず、七七は前述の不卜盧に務める薬採り、兼弟子の女の子だ。有志検証によれば、七七は本作のプレイアブルキャラでも下から4番目に小柄。検証方法によって変動するものの、身長としては127.2cmと分析される。令和3年度の文部科学省学校保健統計調査によれば、8歳女児の平均身長が127.6cmとされている(資料PDF)。一方の、運ばれた方である魈についても、男性キャラのなかではとても小柄。とはいえ、上述の検証でも身長は162.2cmと分析されている。日本人児童の統計にあてはめれば、小学3年生の女の子が、中学2年生の男の子を運搬するイメージだろう。かなり大変そうだ。
一方で、七七はただの女の子ではない。設定上、彼女は高い戦闘力をもっているとされ、いざとなれば強い力を発揮することも可能。身体能力的には魈を運べて当たり前なのである。ただ、それでも覆らないのは30cm以上の身長差だ。小さな七七が魈をいかにして運んだのか、前述の「引きずった」といった現実的な想像から乖離して、さまざまな独創的な運搬方法が想像されるに至っている。なかでも人気なのは「七七がでっかくてムキムキになった」案だ。
たしかに、でっかくてムキムキになれば運搬は楽だ。ただし、筆者が知る限りでは、七七にでっかくてムキムキになる能力はない。それでも、のほほんとした七七のマッスルフォームチェンジは想像力を刺激するのか、人気の説となっているようである。ほかにも独創的な案としては、「魈自体を乗り物にして運搬と高速移動を両立する」「魈と縁深いキャラであるウェンティに風で飛ばしてもらった」といった運搬法が提示されている。ただし、こちらは七七の「背負った」との証言と矛盾するだろう。
方法はどうであれ、「小さな七七が魈をどうにかして運んだ」という事実が面白いようで、「背負う」「引きずる」派のなかでも多彩な背負い方、引きずり方が模索されている。なお、「引きずった場合、背中がズルムケになるのではないか」といった懸念を描くユーザーもいるようだ。唯一の証拠となるトレイラー動画では、運搬直後の背中までは確認できないため、実際にズルムケになっている可能性は否定できないだろう。
今回は「七七が魈を運んだ」との事実だけが独り歩きし、さまざまな運搬方法が提唱された。七七が魈をいかにして運んだのか、今後公式に描かれるかは不透明。両名の今後のストーリー上での活躍にも期待したいところだ。
『原神』は、PlayStation 4/PlayStation 5/PC/iOS/Android向けに配信中。アルハイゼンがイベント祈願に登場する新アップデートVer.3.4「織りなす調べ、華更けて」は、1月18日より配信予定だ。