『原神』運営元がDiscordに、“リーク者4人の情報開示”を請求したとの報道。先々月に続き、追撃の手が伸びる

『原神』における事前情報リーク取り締まりについて、また新たな動きがあったという。本作運営側はリーク者が活動しているプラットフォームであるDiscordに対して、リーク者4人の個人情報の開示を求めたとのこと。

原神』における事前情報リーク取り締まりについて、また新たな動きがあったという。本作運営側が先日、リーク者4人の個人情報開示を求めるDMCA召喚状を米裁判所に提出。リーク者が活動しているプラットフォームであるDiscordに対して、リーク者の個人情報の開示を求めたとのこと。TorrentFreakが伝えている。


『原神』は中国を拠点とするmiHoYoが開発・運営するオープンワールドARPG。同作は現在、miHoYoの子会社であるCOGNOSPHEREのブランド「HoYoverse」より展開されている。本作は世界的に高い人気を誇る。ゆえに、本来秘密である事前情報を漏洩するリーク行為もあとを絶たない。miHoYo側も年々、リーク行為に対しての厳粛さを強めており、法的措置にも乗り出している。そうした毅然とした対応が功を奏してか、リーク者側の活動規模縮小といった傾向も見られる(関連記事)。一方で、SNSのほかDiscordなどのコミュニケーションツール上でも、いまだリーク行為が続いているとの報告もある。

今回、miHoYo側がDiscordでのリークに対して新たな措置を講じたことが伝えられた。海外メディアTorrentFreakおよび同誌掲載資料によれば、COGNOSPHEREおよびその代理人は先日、米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にDMCA召喚状を提出したという。

「DMCA召喚状(DMCA Subpoena)」は、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づいて、著作権侵害者の個人情報などの開示を求める手続き。今回の場合でいう著作権侵害者とは、『原神』事前情報リーク者のことだ。COGNOSPHEREがDiscordに対して、リーク者の情報開示を求めたかたちとなる。なお、別のリーク者を対象とする同様のDMCA召喚状が、先々月にも提出・受理されている。


TorrentFreakが公開した資料によれば、今回新たに開示請求対象となったのは、リーク者とされる4人のユーザーだ。ひとりは「Linxian」と呼ばれるユーザーであり、リーク者らが集うとされるDiscordサーバーに所属していたとのこと。ほかの3人は別のDiscordサーバーに属していたとのこと。いずれの者もリーク情報と見られるスクリーンショットをDiscord上に投稿していたという。

なおDMCA召喚状提出にあたっては、事前にDMCA 削除通知を対象の事業者に送る必要があるとのこと。そのため、現地時間1月11日には、COGNOSPHEREからDiscordに向けてDMCAに基づくコンテンツ削除の申し立てが送られていたそうだ。TorrentFreakが入手した裁判所向け資料では、該当Discordサーバーでの投稿が11枚のスクリーンショットとして添付。「Linxian」と見られるユーザーが、リーク画像をDiscordにて共有する様子が示されている。なおDiscordに対する同様の削除通知は、ほかの3人のリークに対しても申し立てられたとのことである。

その後、miHoYo側は4人のリーク者それぞれに対してのDMCA召喚状を、先述の裁判所に提出。TorrentFreakが公開した各資料を見るに、1月12日付けで裁判所に受理されたことが確認できる。資料はいずれもほぼ同様であり、それぞれのユーザーの「氏名、住所、電話番号、メールアドレス、IPアドレス」などの情報の提出を、Discordに対して求める内容となっている。

なお前述のとおり、『原神』のリーク者に対するDMCA召喚状が裁判所に提出されるのは今回が初めてではない。先月には比較的名の知られたリーク者「Ubatcha」に対し、miHoYo側が同様の動きを見せていたことを、TorrentFreakが伝えていた(関連記事)。TorrentFreakは、Discord側がmiHoYo側と争いでもしない限りは、リーク者の情報がmiHoYo側に開示されるだろうと分析していた。

【UPDATE 2022/1/14 15:23】
前回の召喚状の提出時期について、見出しおよび本文を修正。


先々月に引き続き、新たに4人のリーク者に対するDMCA召喚状を提出した『原神』。今回の資料においても、Discordサーバーでのリーク共有現場の証拠が、多数のスクリーンショットとして押さえられている点は印象的だ。リーク者たちにmiHoYo側の監視の目が行き届いていることがうかがえる。

一連の手続きはリーク者たちの個人情報を得て追求するためのmiHoYo側の事前準備とも考えられるものの、今後miHoYo側がどのような措置をとるかは、同社のみ知るところだ。しかし、リーク者に対しては引き続き厳然たる態度で臨んでいくことだろう。

『原神』は、PlayStation 4/PlayStation 5/PC/iOS/Android向けに配信中。新アップデートVer.3.4「織りなす調べ、華更けて」は、1月18日より配信予定だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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