『鉄騎』RTA走者、機体トラブル発生も“整備班”の怠慢を跳ね除ける。「RTA in Japan Winter 2022」の珍事件
「RTA in Japan Winter 2022」にて12月29日、ロボット操縦シミュレーションゲーム『鉄騎』のRTAがおこなわれた。RTAプレイヤーのみふ氏が走者を務め、解説をすないぬ氏が担当。鮮やかなプレイが披露される中、みふ氏が操作していた『鉄騎』専用コントローラーがトラブルに見舞われた。
『鉄騎』は、カプコンがXbox向けに2002年9月に発売した戦闘用ロボット操縦シミュレーターだ。同社公式のゲームジャンルは“操縦”となっている。本作には専用のコントローラーがソフトに同梱されていた。2つのスティックにシフトレバー、およびペダルまで搭載されたコントローラーの大きさ、さらには1万9800円という高額な価格も話題になった作品だ。プレイヤーは、2080年代の未来を舞台にVTと呼ばれる二足歩行のメカを操作し、数々のミッションに挑むことになる。
「RTA in Japan Winter 2022」の『鉄騎』RTAでは、「Campaign 2080 NG+」というカテゴリへの挑戦がおこなわれた。これはキャンペーン「HAI SHI DAO 2080」をクリア済みセーブデータでスタートし、全10ミッションの攻略を目指すカテゴリだ。RTAが開始するとみふ氏は、専用コントローラーを指差し確認しながらトグルスイッチの状況を確認。本作ではVTの出撃時、専用コントローラーの複数のスイッチを適切に切り替える、起動シーケンスをおこなう必要がある。解説のすないぬ氏の起動ナビゲーションもあって、ロボットアニメのような雰囲気が漂う中、手慣れた手つきでVTを起動させたみふ氏は、時速200kmで戦場を駆ける機体を軽快に操ってミッションを次々と攻略していく。
トラブルが起きたのはミッション7開始時、プレイ開始から17分ごろからだ。すないぬ氏のナビゲートのもと、みふ氏はVTを起動。しかし、その際にトグルスイッチの1つが折れてしまった。先述のとおり、VTを起動する際にはトグルスイッチを切り替える必要がある。それができない場合、VTは起動できない。すないぬ氏は指で何とかトグルスイッチを切り替えて何とか出撃するが、Twitchのチャット欄では架空の“整備班”を非難する声が発生。プレイの動向をTwitterで伝えるRTA in Japanの運営チームも、ノリ良く整備班への一言をツイートしていた。
その後みふ氏はミッション8開始前に、専用コントローラーに備え付けられていた六角レンチを取り出し、折れたトグルスイッチの切り替えに使用。トラブルに際してのこの機転の利かせ方は歴戦のVTパイロットならではだろう。なお、この後一瞬ながらペダルの不調も発生している。20年以上前に発売されたゲームであるがゆえの経年劣化、あるいはみふ氏の操縦に機体がついてこられなかったのかもしれない。
機体トラブルに見舞われ、敵も思うとおりに動いてくれない中、みふ氏は35分23秒の記録で完走。Speedrun.com上で同氏がもつ世界記録32分35秒には及ばなかったが、一発勝負のイベントでの挑戦にトラブルまで重なった中での今回の記録は見事といえるだろう。ちなみに、みふ氏が以前参加した「RTA in Japan 2020」の直前にも、トグルスイッチが折れたことがあるようだ。
最後に、みふ氏は自身の配信では『鉄騎』のRTAに加えて、同作専用コントローラーでさまざまなゲームに挑戦する“鉄騎コンチャレンジ”もおこなっているとコメント。それに対してすないぬ氏が、「そんなことをやっているから壊れるのでは?」とツッコミを入れて、『鉄騎』のRTAは和やかに終了した。トラブルがありつつも、みふ氏の鮮やかなプレイ、すないぬ氏の軽快な解説と雰囲気を高めるナビゲートもあり、イベントならではのエンターテインメント性も高いRTAとなっていた。
なお、RTA in Japan 2020での参加の際には、みふ氏は専用コントローラーの手元と足元の映像と共にRTAを披露している。『鉄騎』の操作感がより理解できるRTA動画となっているので、一度チェックしてみるといいだろう。
RTA in Japan Winter 2022は、12月31日まで開催中。本イベントでは、スピードクリアを軸に、スーパープレイから面白いプレイまで、さまざまなゲームの遊び方を見ることができる。気になる方は同イベントスケジュールもチェックしてほしい。