『VALORANT』には今年から「自動スマーフ検知システム」が導入されていた。その効力とは

Riot Gamesは12月21日、『VALORANT』にて今年から自動スマーフ検知システムを導入していたことを発表した。9月にはグローバルに同システムが導入されていたとのこと。

Riot Gamesは12月21日、『VALORANT』にて今年から自動スマーフ検知システムを導入していたことを発表した。


公式ブログでは「スマーフ」を、プレイしているアカウントとは別のアカウント(いわゆるサブアカウント)を作成することと定義している。スマーフによる問題としては、新しいアカウントを作った上級者が新規プレイヤーとマッチングしてしまうことだろう。新規プレイヤーにはほとんど勝ち目がなく、ゲーム体験が著しく損なわれるわけだ。

公式ブログによると、米国向けには今年の5月のパッチ5.01にて「自動スマーフ検知システム」が導入。続く9月にはグローバルに同システムが導入されていたとのこと。特定方法そのものについては、検知を回避する助けになってしまうので細かい説明は避けられている。一方、自動検知システムの結果については同ブログにて共有されている。

「自動スマーフ検知システム」の目的は、スマーフアカウントを正確に特定し、そのMMR(マッチメイキングレート)をメインアカウントのものに可能な限り近付けることだという。導入初期には対照試験として検知されたスマーフアカウントの半分にのみMMRの調整を実施。もう半分には調整をおこなわなかったそうだ。というのも、スマーフアカウントの検知は、主に圧倒的な差がついている試合にておこなわれる。圧倒的な差がつく試合はさまざまな要因が考えられ、一概にスマーフアカウントが原因とはいえない。そのため公平な調整となるように、対照群が用意されたとのこと。


結果として、調整を実施したアカウントは、開発チームが想定していた目標値などを十分達成する適正なMMRに到達。一方で調整しなかったアカウントの多くは一定割合で圧倒的な勝利をおさめ続ける、あるいは適正ではないMMRに位置する結果となったそうだ。つまり、「自動スマーフ検知システム」によるアカウント検知やMMRの調整は十分な効力を発揮していたという見方だろう。次の目標として開発チームは、スマーフが検知を潜り抜けることが無いようにする方法を模索しているとのことだ。

開発チームは、『VALORANT』においてスマーフに対してプレイヤーたちがもつ不安をすべて消し去ることは不可能としている。調子の良いプレイヤーが、「本来ならそのランクにいるべきではない」と見なされる可能性もあるからだ。一方で、この分野に関する改善の努力を止めるつもりは今のところない、として公式ブログは締めくくられている。

『VALORANT』に限らず、対戦ゲームにおいてスマーフはユーザーの不満を招いている問題点のひとつ。基本プレイ無料で提供される対戦ゲームでは特に、サブアカウントの作成がおこなわれやすい。Riot Gamesの開発した「自動スマーフ検知システム」は、一定の効果をあげているとのこと。対戦ゲームに影を落とすスマーフ問題の光明となるのだろうか。今後の同システムの展開も注目される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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