ヤギシム『Goat Simulator』公式、『GTA』の会社に怒られる。ふざけてPVに『GTA』新作のリーク映像を使ったため
『Goat Simulator』公式Twitterアカウントは12月20日、とある動画を添付してプロモーションツイートを投稿した。しかしながら、動画には『Grand Theft Auto』シリーズ新作のリーク映像が含まれていたため、“権利者”の申し立てにより削除される一幕があった。
『Goat Simulator』シリーズは、ヤギになりきるサンドボックス型アクションゲーム。『Goat Simulator』、およびその続編となる『Goat Simulator 3』が発売中。ナンバリングの2作目はなぜかすっとばされ、『Goat Simulator 3』としてリリースされた。本作の主人公は、ヤギのピルゴール。舞台はミステリーとカオスが眠るという島、サン・アゴラ島だ。プレイヤーは島に隠された秘密を発見したり、クエストをこなしたり、マップ上の物を破壊したりして、自由に探索を楽しむことができる。
本作は2作目をすっとばしただけあり、大幅な進化を遂げている。オープンワールド化、最大4人のローカル・オンラインマルチプレイ機能実装、そして移動方法の多様化だ。サン・アゴラ島は広大な島となっているほか、移動手段も「ヤギを振り回す」以外のものを会得。自転車をこいだり車を運転したりして、より多彩に奇抜な方法で、島を駆け巡ることになる。
『Goat Simulator 3』の公式Twitterアカウントは時おりショート動画などを添付して、プロモーションツイートを投稿してきた。本アカウントは12月20日にも「meet shaun, the npc(ShaunというNPCに会おう)」として動画を投稿。しかし、投稿後約1日で削除されることとなった。
削除された動画の内容としては、ShaunというNPCが登場する映像であった。『Goat Simulator 3』の世界に暮らすShaunがインタビューにて、ゲームのNPCとしての日常を紹介。問題になったと思われるのは、動画の終盤の映像だ。コネを使って“大作ゲーム”に出演したと語るShaunは、数か月前のリーク映像にも自分の姿が確認できると発言。その際の映像に、数か月前リークされた『Grand Theft Auto』シリーズ新作の開発中映像が用いられていたのだ。
リーク時の映像そのまま使われたわけではなく、Shaunがゲーム内に登場しているかのように編集されていた。しかしほかはすべてリーク映像のまま。約数秒の短いシーンながら、リーク映像が流用されていたわけだ。
現在動画は、“権利者”の申し立てにより削除済み。YouTubeに投稿された動画も同様だ。『Grand Theft Auto』シリーズ新作のリーク映像については、開発元のRockstar Gamesが新作の開発中映像であったことを認めている(関連記事)。無断でそれを使用した「meet shaun, the npc」の動画は、Rockstar Gamesあるいは親会社Take-Two Interactiveの申し立てにより削除されたのだろう。
『Goat Simulator』シリーズはこれまで、パロディやブラックジョークを交えたプロモーションを続けてきたタイトルだ。『Goat Simulator 3』発表時のトレイラーも、構図が『Dead Island 2』のトレイラーと酷似している。そのほかにもトレイラーや公式Twitterアカウントの投稿では、時事ネタやさまざまな作品のパロディを展開。時には下ネタやブラックジョークを交えた内容もあり、毒のあるプロモーションをおこなっていたといえる。
今回『Goat Simulator』公式Twitterアカウントは、大作のリーク映像を用いたパロディネタを敢行したものの、権利者には看過されなかったようだ。またリーク映像自体は大規模に拡散されたものの、そもそもRockstar Gamesの機密情報である。パロディ動画として用いるには問題がある映像ともいえる。さらにRockstar Gamesは、新作の映像がリークとして衆目に触れてしまったことについて極めて残念であると伝えていた。たとえパロディであっても、用いられることも快く思わないだろう。なお本稿執筆時点で『Goat Simulator』公式Twitterアカウントは、動画が削除されたことに対する反応を示していない。