人気ライフシム『Stardew Valley』に、多数要素を追加する大規模オーバーホールModが登場した。スキルの調整・拡張や武器の多数追加など要素てんこもりとなっている本Modは、さっそくユーザーらから注目を集めている。また、同Modには「税システム」を導入するやや異色の機能も備わっている。
『Stardew Valley』はインディースタジオConcernedApeが開発した農場ライフシムゲーム。プレイヤーは、祖父からボロボロの農場を受け継ぎ、その復興を目指す。プレイヤーは農作物の栽培加工や畜産などで生計を立て、設備を充実させていくのだ。ほかにも、農場のそばにある田舎町ペリカンタウンの住民たちとの交流、広いエリアの探索、ダンジョンでの戦闘など、多数要素が盛り込まれている。
そんな本作PC版に向けて12月13日、ゲームプレイを大規模に変更するMod「DaLion’s Modular Gameplay Overhaul」がリリースされた。手がけたのは、Mod開発者のDaLion氏だ。同Modはゲームプレイをオーバーホール(改修)するモジュール集となっており、多岐にわたる機能が分割実装されているかたち。『Stardew Valley』に大きな変化をもたらすこのModには、ユーザーらの注目も集まったようだ。Nexus Modsにて2000件に迫るユニークDL数を数えているほか、海外メディアPCGamesNに取り上げられている。
「DaLion’s Modular Gameplay Overhaul」による追加要素としては、まず「Professions」モジュールが目玉となるという。このモジュールは本作のスキルシステムを調整・拡張。一定スキルレベルごとに選択できる特化職の効果や性能が大幅に変更されている。また、スキルレベルをリセットして上げ直すことでさらなる強力スキルを得るPrestigeシステムや、戦闘で強烈な効果を発揮するスーパーアビリティなどが追加されているという。ほかにも、ベータ版ながら多彩な武器を追加するArsenalモジュールや、新たな鍛冶メカニックを導入して指輪の機能性をさらに深めるRingsモジュールなどが追加。多岐にわたる要素に新しい味付けがなされているわけだ。
そのなかに、少々異彩を放つモジュールが存在する。「Tax(税)」モジュールだ。これはその名の通り、『Stardew Valley』の世界に税金の要素を導入する機能となっている。主にゲーム終盤のプレイヤー資産のインフレへの調整を目的として実装されたようだ。本機能の説明ページではDaLion氏が「戦争中の国が、ゲーム終盤の高収入に目をつけないはずはない」と身も蓋もない実装理由を語っている。なお本作の背景として、スターデューバレーは、フェーンギル共和国内の土地となっている。そしてフェーンギル共和国はゴトロ帝国なる国と戦争中との設定があるのだ。
Taxモジュールを導入すると、The Ferngill Revenue Service(FRS)なるフェーンギルの国家機関が税執行・徴収を実施するようになる。FRSはIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)の税モデルをベースに、7つの税率区分にあわせて個人納税者の税率を設定するという。税率が最大となる区分では、37%もの所得税が課されるそうだ。もしも適切に税を収められなかった場合は、未払金が決済されるまで出荷箱での売り上げが差し押さえられ、利息も取られるという。なお、前述のProfessionsモジュールを導入していれば、「Conservationist」特化職によって税控除を受けられるそうだ。また、脱税者(Tax evader)となることも可能だという。Modの機能説明であるにもかかわらず、今にも頭痛がしてきそうな内容となっている。
なお、幸いにも「DaLion’s Modular Gameplay Overhaul」では、ユーザーが導入するモジュールを選択することが可能。つまり「ゲーム内でまで税のことを考えたくない」というユーザーはTaxモジュールのみ導入せずプレイすればよいだろう。逆に、実在するかは定かでないものの「税大歓迎」という方がいれば、別のMod開発者であるKarratKake氏による「Ferngill Revenue Service」を導入するのもよいだろう。こちらは、所得税の上に、スプリンクラーや建物の数に応じた水道/電気料金がかかるようになるModだ。DaLion氏は、Taxモジュールは同Modと同時に導入が可能であるとしつつ「どうか試さないで」と伝えている。
『Stardew Valley』PC版向けMod「DaLion’s Modular Gameplay Overhaul」は、Nexus Modsにて配信中。