『ポケモンSV』が5時間半でクリアされる。RTAサイト集計が一部解禁、あの鳥ポケモンが上位を荒らす
世界のスピードラン記録が寄せられる集計サイトSpeedrun.comにて12月15日、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下、ポケモンSV)の記録投稿の受け付けが開始された。さっそく本作を5時間半前後でクリアした一連の記録では、「カラミンゴ」が存在感を発揮している。
『ポケモンSV』は、『ポケットモンスター』シリーズの最新作。ゲームフリークが開発を手がける。ポケモンと出会い、バトルを通じて成長していくシリーズの基本的な魅力は踏襲。本作ではオープンワールドを舞台に、ほぼ境目なく広がる街や大自然を楽しめる。また、『ポケットモンスター』シリーズは、スピードラン(RTA)の対象タイトルとしても人気が高い。今回はオープンワールド化されたことで攻略自由度も広がり、国内外のプレイヤーたちがさっそく『ポケモンSV』でもしのぎを削り始めているのだ。
そうしたスピードランおよびRTA(実時間でのタイムアタック)の記録が寄せられるのが、集計サイトSpeedrun.comだ。同サイトおよび関連コミュニティでは、スピードランナーたちが本作に取り組むにあたっての取り決めを模索。先月の本作発売後より、プレイ環境などのレギュレーションを投票などで策定していた。そして12月15日には、本作の英語版での「Any%(達成度問わず)」カテゴリーのクリアタイム投稿受け付けが開始された。
Speedrun.comリーダーボード上においては、本稿執筆現在の同カテゴリー最速クリア記録は『スカーレット』での5時間28分59秒とされていた。米国のスピードラン走者、truely氏の記録だ(本稿公開直前に、フランスの走者であるSaiyanCinq氏が5時間26分35秒で記録更新している)。一般的なプレイと比較して相当な高速クリアとなっている、同氏のプレイの様子を確認していく。以下はtruely氏による記録動画であり、本作のエンディングまで収録されている。また、本稿にもここから、本作最終エリアに言及する表現があるため注意してほしい。
攻略法としては、意外にも正攻。ちゃんと学校に登校し、順番を追いながら攻略を進めている。本作のクリア条件には、本作に存在するメインルート3本をこなさなければ到達できない。多少のショートカットはあれど、基本的にきっちりそれらのルートを進めていく流れとなっている。ただしスピードランが中盤に入ると大胆なルート選択と強引な崖のぼりで一気に終盤(くるはずであろう)エリアへ。ポケモンを一気に強化し、さまざまな相手をばったばったと撃破。それも、ポケモン1匹のみで強敵を倒していくのだ。ヌシたちを倒し、四天王含めジムリーダーを撃退。スター団たちも蹴散らした。そして最終エリアの大穴では、プレイヤーなら試してみたくなる(であろう)超落下によるショートカットを決め、ゲームをクリアした。
では、この“無双チャンピオンツアー”に選ばれたのは、どのポケモンだろうか。そのポケモンとは、カラミンゴだ。
カラミンゴは、本作初登場となるポケモンだ。ひこう/かくとうタイプのシンクロポケモン。特性「きもったま」をもち、ゴーストタイプの敵にノーマル・かくとうタイプのわざの効果を発揮させられる。なにより、カラミンゴはプレイヤーが最序盤に訪れられるエリアで入手可能な上に、同時点で入手可能なポケモンとして破格の種族値500。配分としても、高い攻撃となかなかの素早さ種族値を誇っている。覚える技の幅が広く打ち分けも可能。特性や能力値の優秀さにより、序盤から強く後半でも頼りになるわけだ。そんなカラミンゴは現在スピードランナーたちにも人気のようで、truely氏をはじめリーダーボード上のトップ3がカラミンゴをメインに本作を最後まで駆け抜けている。
【UPDATE 2022/12/16 10:34】
カラミンゴについての記載を修正
なお、本作同リーダーボード上にて「Turbo used」として記録されているのは、コントローラーの連射機能の有無だ。レギュレーションでの扱いについて注目が寄せられ、投票が進められていた連射コントローラーは、使用の有無は記録されつつ、未使用の記録と同じカテゴリーに分類された。なお、ほかにも同コミュニティでは、スピードランに利用できるセーブデータのレギュレーションなどについても投票が進行中。また、日本語版本作におけるタイミングルールなども議論中だ。今後レギュレーションが変わってくる可能性もあるだろう。今後登場するであろうほかカテゴリーも含めて、『ポケモンSV』のひとつの楽しみ方として今後の展開に期待したい。
【UPDATE 2022/12/15 20:26】
「Turbo used」の詳細記述の誤りを修正
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。
※ The English version of this article is available here