FPSゲーム『ULTRAKILL』公式Twitterアカウントは12月8日、公式Modによる外部デバイスへの対応を告知した。そのデバイスとは、性玩具である。ゲーム内の状況に連動して、人体に挿入したデバイスが動くようになるという。本稿に成人向け映像などは含まれないものの、性玩具単体の映像や文章描写が含まれるため注意してほしい。
『ULTRAKILL』は、Steamにて早期アクセス配信中の1人プレイ向けFPSゲーム。個人開発者のArsi “Hakita” Patala氏が中心となって手がけている。本作は“Devil may Quake”なるキャッチコピーを標榜しており、『デビル メイ クライ』シリーズのコンボメカニックと、『Quake』シリーズのスピード感を組み合わせたゲームプレイが特徴だ。プレイヤーは高い機動力でステージを駆け抜け、多彩な手段で敵を殺戮。敵の返り血を浴びて回復するシステムとなっているため、敵に肉薄して撃ちまくり駆け抜ける、刺激的なプレイスタイルを奨励する内容となっている。
そんな本作がこのたび、公式に性玩具デバイスに対応したそうだ。『ULTRAKILL』公式Twitterアカウントは12月8日、“Sex Update”がついに実装されたと告知。公式Modである「UKButt」を通じて、デジタル性玩具の操作ライブラリである「buttplug.io」をサポートすると宣言した。
buttplug.ioは、多彩なデジタル性玩具とプログラムの連動を助けるライブラリだ。名前のbuttplug(バットプラグ)とは、肛門に適応するタイプの性玩具の通称である。ただし同ライブラリはバットプラグのみならず、LovenseやKiirooをはじめとする多数のデジタル性玩具に対応。ゲームと連動して性玩具が動くような、インタラクティブな動作を実装できるわけだ。「UKButt」はそんなbuttplug.ioを利用して、『ULTRAKILL』内部での出来事にあわせて外部デバイスを連動。プレイヤーのデバイス装着状況に応じた刺激を届けてくれるわけだ。
「UKButt」が連動可能な『ULTRAKILL』ゲーム内動作としては、画面の振動(スクリーンシェイク)やメニュー操作時のフィードバックのほか、武器の発砲やダッシュ/スライディングなどの移動もサポート。本作は激しい撃ち合いと高速起動が持ち味のため、設定によっては動きっぱなしになるだろう。なお、振動の強さの調節や、振動時間の設定も可能となっており、プレイヤーそれぞれに適した設定も可能となっているようだ。
「UKButt」は本作でプログラマーを務めるPITR氏のgithubにて公開されており、お手持ちのデバイスですぐに利用可能だ。性玩具ではなくコントローラーでの動作の様子は、以下の動画から確認できる。本作のチート機能を利用した「緊急時に振動を止める」実装も紹介されており、安心して利用できるだろう。
疑問なのは、なぜ『ULTRAKILL』が突如として性玩具に公式対応したかだ。その背景には、あるYouTuberのふとした思いつきと、buttplug.ioおよび『ULTRAKILL』開発者たちの“悪ノリの連鎖”があったようだ。まず、YouTuberのShammy氏が12月6日「『ULTRAKILL』を性玩具と連動することは可能だろうか」との疑問をTwitterなどに投稿した。すると、本作の開発者であるHakita氏がTwitterのリプライにて「もちろん」と素早く反応。ただし、そうした動作を実現するソフトは主にコントローラー振動に対応しており、『ULTRAKILL』に振動機能はないとして、Modを通じて実装する必要があるだろうと伝えていた。
その直後に馳せ参じたのが、buttplug.io公式Twitterアカウントだ。厳密にいえば、同プロジェクトを手がける開発者のqdot氏である。qdot氏は「性玩具に対応していないソフトを対応させるのは、まさに私の仕事だ」と豪語。Shammy氏にヒアリングしつつ、『ULTRAKILL』の性玩具対応に乗り出した。そして初動からわずか約5時間後、qdot氏はbuttplug.io公式アカウントを通じて『ULTRAKILL』への対応完了を報告。githubにてModを配布開始し、高い開発技術を見せつけたのだ。この報告には、本作販売元であるNew Blood InteractiveのCEOであるDave Oshry氏も反応。どういった気持ちからかは不明なものの、「Oh no.(オーノー)」とコメントしている。
こうした一連の出来事の後に、『ULTRAKILL』に携わるPITR氏がプロジェクトを継承。同氏の開発する「UKButt」が、本作公式の性玩具連動Modとして登場した流れとなる。なお、前述の通り本作は今までコントローラー振動に対応していなかった。そしてbuttplug.ioは、Xbox互換性のあるコントローラーに対応する。すなわち、本作は性玩具対応を通じてこのたび新たにコントローラー振動機能にも対応したわけだ。めでたいことである。
なお、販売元CEOであるOshry氏は、本作の性玩具公式対応にあたり大きな感情の変化を見せている。性玩具対応についてTwitter上で「神のご慈悲がありますように」と祈ったかと思えば、最終的には開き直って「そっちのゲームはレイトレーシングに対応しているが、うちのゲームはバットプラグに対応している」とコメント。新機能の独自性を胸を張ってアピールしている。なお、同氏および『ULTRAKILL』公式Twitterアカウントの投稿には、「子供が見てるんだぞ」「GOTY決定」などといった、さまざまなユーザー反応が寄せられているようだ。「UKButt」利用者からも、今後さまざまな反応が寄せられるかもしれない。
『ULTRAKILL』は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信中。公式Mod「UKButt」はgithubにて公開されており、対応デバイス所有者はすぐに利用可能だ。