『スプラトゥーン3』にて「ワイドローラー談合」なる行為が目撃される。メモリーに収められた悪事

『スプラトゥーン3』にて、新ブキ・ワイドローラーを使った稼ぎおよび談合行為が目撃されている。談合を、ワイドローラーで実施するチームがいるようだ。

スプラトゥーン3』にて、新ブキ・ワイドローラーを使った稼ぎおよび談合行為が目撃されている。発端となったのは、Twitterユーザー・こてざうるす氏の報告。ワイドローラーで談合されている試合に居あわせ、その様子を収めSNSに投稿。この映像が議論を呼んでいるわけだ。

『スプラトゥーン3』における「談合」とは、バトルをおこなわず稼ぎに走る行為。本作のナワバリバトルでは、床を塗っての塗りポイントがそのままおカネとして獲得できる。その仕組みを利用して、ナワバリバトルにて仲間内で塗りをしまくる、というのが談合だ。談合することの“メリット”としては、塗りに専念できることや、自分が一度塗った場所を相手に塗ってもらえれば、塗りポイントを効率的に稼げる点があげられる。そうした談合を、ワイドローラーで実施するチームがいるようだ。


こてざうるす氏がバトルメモリーを共有してくれているので、そちらを見てみよう。編成はこてざうるす氏はバケットスロッシャーなのに対し、ほか7名は全員ワイドローラーだ。この時点で雲行きが怪しい。そして試合が始まると、それぞれが塗りを進める。ここまでは普通だが、次第に状況のおかしさが浮き彫りになってくる。ナワバリバトルであるにもかかわらず、交戦がないのだ。敵味方で談合して塗り稼ぎをしているのである。

稼ぎ方は各々まちまちで、マップ全体を回遊して塗るものもいれば、オブジェクトを中心にグルグル回るものも。ともかく、味方と敵が談合して稼ぎ行為をしているわけだ。最終的には、ぐるぐるまわり続けていたプレイヤー2名は1800ほど塗りポイントを稼いでた。通常のプレイではなかなか達成できない数字だろう。一方で、こてざうるす氏はひとりで抗戦。最終的に7キル5デスと奮闘したものの、1vs7のような状況を強いられる苦しさは計り知れない。混ぜられたプレイヤーはたまったものではない。


談合というキーワードを聞くと、本作発売直後に流行した「ラクト談合」を彷彿とさせるだろう。新ブキの弓類の中で特に塗りが強いLACT-450をナワバリバトルに持ち込み、談合して床を塗り続ける。そうしたおカネ稼ぎを実行する集団がたびたび目撃されていた。今回こてざうるす氏が苦痛を被ったように、ナワバリバトルでの談合は明らかに迷惑行為。この稼ぎ行為は問題視され、特定のYouTuberが“談合制裁”なる動画を出して話題になっていたこともあり、悪しき行為であるとの認識が広まっていた。

また任天堂は同行為が話題になったのち、Twitterのサポートアカウントにて「『スプラトゥーン3』などのオンラインプレイには、ニンテンドーアカウント利用規約が適用されます。利用規約に従って、他のユーザーへの思いやりのあるプレイを心がけてください。」とコメント。間接的なラクト談合への注意ではないかと話題となっていた。そうした経緯もあり、ラクト談合の目撃報告が減っていたわけだ。


そしてふたたび、同様の談合行為が話題を集めているのだ。今回ワイドローラーが選ばれたのは、その特徴が理由だろう。ワイドローラーは塗りポイント稼ぎに適している。全体的に攻撃力が低い代わりに、転がした際の塗り範囲が非常に広く、塗りに特化しているといえるブキ。それゆえに、ワイドローラー談合が横行しかねないとのユーザー指摘も散見される。


一方で現段階ではワイドローラーでの談合に限れば、目撃証言はあまりない。そもそもでいえば、談合の遭遇報告がされているのは、ラクトとワイドローラーだけではない。カーボンローラーを使ったカーボン談合、新ブキスペースシューターを用いたスペシュ談合など、塗りの強いブキを使って談合をする集団はなにかにつけ目撃されているのだ。今回注目されているのは、柱のまわりをうろうろするローラー集団の異様さや、ワイドローラー談合に“賄賂談合”とセンセーショナルな呼称が付けられている側面もあるのだろう。『スプラトゥーン3』はスマッシュヒットを記録しており、その中に非常識な集団がいることはある意味いたしかたない。現時点では、コミュニティ全体に蔓延している事象ではない。

いずれにせよ、ナワバリバトルでの談合は迷惑行為であり、ニンテンドーアカウントに関する利用規約に抵触する可能性あり。今回バトルメモリーが共有されたように、証拠も残ることから、リスクが大きい。おカネを稼ぐとしても、サーモンランを1200ptまで回したり、バンカラマッチでしっかり勝利することのほうが安全である。ゲーム内経済に文句があっても談合を正当化するのではなく、任天堂へ要望を出しつつ、マナーを守ってゲームを遊んでほしい。

『スプラトゥーン3』はNintendo Switch向けに発売中だ。



※ The English version of this article is available here

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

記事本文: 5199