『原神』運営元がDiscordに、“リーク者の情報開示”を請求したとの報道。米裁判所が受理
『原神』における事前情報リーク取り締まりについて、また新たな動きがあったようだ。本作運営側が先日、リーク者のひとりの個人情報開示を求めるDMCA召喚状を米裁判所に提出。リーク者が活動しているプラットフォームであるDiscordに対して、リーク者の個人情報の開示を求めたとのこと。TorrentFreakが伝えている。
『原神』は中国を拠点とするmiHoYoが開発・運営するオープンワールドARPG。同作は現在、miHoYoの子会社であるCOGNOSPHEREのブランド「HoYoverse」より展開されている。本作は世界的に高い人気を誇る。ゆえに、本来秘密である事前情報を漏洩するリーク行為もあとを絶たない。miHoYo側も年々、リーク行為に対しての厳粛さを強めており、法的措置にも乗り出している。そうした毅然とした対応が功を奏してか、リーク者側の活動規模縮小といった傾向も見られる(関連記事)。一方で、SNSのほかDiscordなどのコミュニケーションツール上でも、いまだリーク行為が続いているとの報告もある。
そして今回、miHoYo側がさらなる一手を打ったとの報道がなされた。海外メディアTorrentFreakおよび同誌掲載資料によれば、COGNOSPHEREおよびその代理人が先月末、米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にDMCA召喚状を提出。同裁判所は現地時間11月30日付けでこれを受理したそうだ。「DMCA召喚状(DMCA Subpoena)」は、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づいて、著作権侵害者の個人情報などの開示を求める手続き。今回の場合でいう著作権侵害者とは、『原神』事前情報リーク者のことだ。そして、COGNOSPHEREが開示を求めた相手は、前述のDiscordである。
TorrentFreakが公開した資料によれば、対象となったリーク者は「Ubatcha」と呼ばれるユーザーだ。同ユーザーは、Twitter上で多数のフォロワーを集めるほか、数万名が集うDiscordサーバーも運営している、比較的名の知られたリーク者だ。それゆえにmiHoYo側も、名指しでこのユーザーの情報をDiscord側に求めたのだろう。一連の手続きはこのリーク者の個人情報を得て追求するための、miHoYo側の事前準備とも考えられる。TorrentFreakは、Discord側がmiHoYo側と争いでもしない限りは、リーク者の情報がmiHoYo側に開示されるだろうと分析している。
なお、DMCA召喚状提出にあたっては、事前にDMCA 削除通知を対象の事業者に送る必要があるとのこと。そのため、現地時間11月29日には、COGNOSPHEREからDiscordに向けてDMCAに基づくコンテンツ削除の申し立てが送られていたそうだ。こちらの申し立て内容についても、裁判所向けの資料に盛り込まれている。そこには、前述のDiscordサーバーでリークが共有されている様子が、スクリーンショットによってありありと示されている。リーク者は、どこでもしっかりと見張られているとわかる印象的な内容だ。今後miHoYo側がどのような措置をとるかは、同社のみ知るところだ。しかし、引き続き厳粛な態度で臨んでいくことだろう。
『原神』は、PC/PlayStation 4/Play Station 5/iOS/Android向けに配信中。最新アップデートVer.3.3「六処解悟、諸相空無」は、12月7日に配信予定だ。