『スプラトゥーン3』にて「ウデマエ自己破産カウンセリング」する人続出。破産検討をした時、隠されし実力が映し出される

 

任天堂は11月30日、『スプラトゥーン3』更新データVer. 2.0.0の配信を開始した。同アップデートよりさまざまな新機能が実装されたが、その中のひとつである「ウデマエリセット」の思わぬ用途に注目が集めているようだ。


『スプラトゥーン3』のバンカラマッチでは、ウデマエ制が採用されている。勝利数に応じてウデマエポイントが増減し、一定数でウデマエが変動するシステムだ。過去作では、ウデマエランクは昇格だけでなく降格することもあったが、演出などが不評だったのか、今作では降格の概念が廃止された。それゆえに、ウデマエSに上がることができれば、どれだけ負けてもS帯に留まることになる。ただし、負けることのリスクも存在。具体的には、負けが続くとウデマエポイントがマイナスになっていく。このマイナスポイントを抱えた状態が、“借金”と呼ばれているのだ。

そして新シーズンでは、ユーザー任意によるウデマエリセット機能が実装された。この機能を使うことで、ウデマエがリセットされる。ロビーメニューを開き、バンカラマッチにカーソルを合わせた状態でZLボタンを押すと、この機能を使うことができる。

用途としては、ウデマエをリセット可能にすることで、プレイヤーのウデマエポイントがマイナス状態となる“借金状態”をチャラにする意図があると考えられるだろう。1シーズンに1度と回数は制限されているが、リセットでマイナスポイントの負債地獄から解放される。弊誌ではこのシステムを勝手に“自己破産システム”と呼んでいた(関連記事)。

これは本来、ウデマエS帯にいながらも、1000ポイント以上のマイナスを抱えるプレイヤーなどが対象だろう。にもかかわらず、このシステムはウデマエポイントのマイナスがなく、実力に自信があるプレイヤーらにも興味をもたれている。理由は、ウデマエリセットを検討した際に、ゲーム側からレーティングを提案されるからだ。


ウデマエリセットに際しては、戦績に応じてランクが変動する。つまり、『スプラトゥーン3』側のシステムがなんらかの内部レートを参照し、リセット後のウデマエを教えてくれるのだ。仕組みとしては、現在のウデマエからワンランクは確実にダウンされるようだが、下がり幅は人それぞれ。1段階下がる人もいれば、2段階下がることを診断される人もいる。

S+プレイヤーでSを提案されたならば、“ゲームの内部レート的”には実力があるとみなされているわけだ。自分の現在のウデマエと、ゲーム側が診断するウデマエ。その差にどれだけ乖離があるのかがわかることになる。それゆえに、ウデマエ自己破産システムを介した、実力カウンセリングがなされているのだ。SNSを見ると、ウデマエリセットを使って自分の実力を診断してもらい、一喜一憂している人々の姿が確認できる。ウデマエリセットを完了せずとも、完了後のウデマエを確認できるのも魅力だろう。

なぜゲーム内の実力に夢中な人々がいるのか。本作の“内部レート”を気にする人々が多いからだろう。本作では、前述してきたウデマエポイントなどはプレイヤーに開示されている。一方で、プレイヤーには開示されない内部レートの存在も指摘されているのだ。ウデマエリセット後のランクも、そうした内部レートに基づいたものであると考えられる。


ほかにも内部レートらしき要素は随所に存在。たとえば、今回実装されたXマッチではまず、戦いを5戦重ねることでXパワーの初期値が決定される。このXパワーの査定も5戦終えるまでは診断過程を見ることができず、Xパワー決定時もなぜこの数字になったのかは明かされない。ある種この査定も内部レートでの診断と捉えられている。それゆえに、内部レートへの関心は高いのだ。そうした経緯もあり、ウデマエリセットを検討することで、自分の内部レートでの位置づけを知るべく、カウンセリングを受けようとする人々が多くのいるのだろう。

しかしながら、“ウデマエ自己破産カウンセリング”で提案されるウデマエは、あくまでゲーム側による提案のひとつでしかない点には留意したい。また新シーズンの開始にあたっては、強制的にウデマエが下がる。この自動ダウンは一定のもの。プレイヤーのウデマエを測ってのものではないので、混合しないように注意だ。いずれにせよ、実力は常に変動するもの。レートが低ければ、実力を積んで上げればいいのだ。気楽にバンカラマッチを遊ぶといいだろう。


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