『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』一部環境下で「乱数固定」説浮上。先制すると攻撃が確定で外れる、ゆびをふる技確定など

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の一部対戦環境において乱数が固定されているのではないかとの噂が広まっている。バトルスタジアムのカジュアルバトルでは、どうやらその説は正しそうだ。

ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の一部対戦環境において乱数が固定されているのではないかとの噂が広まっている。結論からいえば、バトルスタジアムのカジュアルバトル弊誌検証においては、乱数固定説に一致する結果が確認できた。


発端となったのは、RedditユーザーLord-Trolldemort氏の報告だ。同氏は(バトルスタジアムの)ダブルバトルにおける「命中率」がおかしいと指摘した。同氏は、対戦のたびに初手でこおりのいぶき(命中率90%)を繰り出しているが、その多くが失敗に終わると指摘。14回中14回失敗に終わったと報告した。その上で、ゲームのランダム要素を司る内部値である「乱数シード」が固定されているのではないか、と分析したのだ。TwitterユーザーのAnubis氏も同様の検証を実施し、乱数シードが固定されているとの意見に同意。結論として、初手に先制で命中率90%以下の技を繰り出した場合、確実に攻撃が外れるだろうとの見方を示した
【UPDATE 2022/11/29 11:30】
「命中率91%以下」としていた確率表記を「命中率90%以下」へと修正


弊誌でもこの説を検証した。相手の技の命中率を0.9倍にする「ひかりのこな」を持たせて数十戦ほど対戦したところで、相手が初手に先に攻撃をしてきた際には、例外なく攻撃が外れた。つまり乱数がなんらかのかたちで固定されていることが明らかになったわけだ。巷で噂される「ひかりのこな強い説」の裏付けにもなっただろう。

また前出のAnubis氏はさらに、ダブルバトルで2番目に攻撃したポケモンが、ぜったいれいどをはじめとした一撃必殺技を使った場合、その技は必中であるとも報告した。一撃必殺技といえば、命中率は基本的に30%(状況によって確率は変化する)。そのかわり命中した際には相手を確実に仕留める。そんなハイリスクハイリターンな一撃必殺技を、確定で命中させる術があると提唱したわけだ。


具体的にAnubis氏は、ダブルバトルの初手においては、1匹目のポケモンに先制攻撃+ひるませ技(ねこだましなど)をし、2順目に一撃必殺技を確定で当てられることを報告。こちらの説も弊誌で検証したところ、2順目の一撃必殺技が確定で当たることが確認できた。乱数固定説の信憑性が高まってくる。

弊誌では、その上で乱数固定説を追加検証。乱数が絡む技の代表である「ゆびをふる」を使って検証した。というのも、初手にゆびをふるを使った場合ハッピータイムが確定で出るというツイートが拡散されていたからだ。

https://twitter.com/the_a_mon/status/1596972749645545472


検証環境は、バトルスタジアムのカジュアルバトルで固定。ゆびをふるを覚えさせたポケモン(ネタバレになるためモザイク処理)に数十戦こなしてもらった。結果としては、初手ゆびをふるを使った場合には、「相手が変化技を使ったケース」では技としてハッピータイムが確定。「相手が攻撃技を使ったケース」は、はきだすが確定で出ていた。乱数はさまざまな要因によって変動するので、環境によっては別の技が確定となる可能性はあるだろう。しかし、発動技が確定される様子からして、ゆびをふるの使用に際しては、やはり乱数が固定されていると考えられる。


『ポケモン』シリーズの対戦においては、乱数はキーとなる要素。攻撃が当たるのか、外れるのか。急所に当たるのか。不確かな、ランダム要素が戦いを盛り上げる。乱数が固定されているとなれば、バトルの流れや戦術が固定されかねない。『ポケモン』の対戦環境にとって、乱数はそれほど重要なのである。それゆえに、この乱数固定仕様は一部ユーザーから不安材料として指摘されている。とりわけ、12月に始まる予定のランクバトルが同じような仕様で登場しないか、危惧されているのだ。

ただし、不安がるのはまだ早いかもしれない。というのも、この乱数固定現象についてはバトルスタジアムのカジュアルバトルでのみ見られる現象なのだ。フレンド対戦で同様の検証をしたところ、先述した一撃必殺技確定ヒットは発生せず、91%以下の命中率の先出し攻撃は空振りせず、ゆびをふるの技は固定されなくなった。乱数固定は、あくまでカジュアルマッチでのみ適応されている仕様のようだ。フレンド対戦ではバトルごとに乱数が違う様子なので、ランクバトルが乱数固定でリリースされるとは限らないということだ。


とはいえ、カジュアルバトルの乱数が固定されていること自体が、遊びの幅を狭めかねない。また「ゆびをふる大会」などをおこなうにしても、技のバリエーションが固定されていれば、つまらないだろう。そもそもとして、乱数が重要な『ポケモン』シリーズにおいて、乱数が固定された環境が提供されたことに不安を覚えるのも理解できる。ランクバトル実装の際には乱数環境の調整および、カジュアルバトルでの乱数固定仕様の変更が望まれるところだろう。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。




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Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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