『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の連れ歩き進化“お手軽化テク”にトレーナーの注目集まる。簡単・便利・そしてかわいそう


ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』にて、とあるユーザーが連れ歩きの進化条件を満たすテクニックを考案。ポケモンがやや不憫なものの便利な手法は、国内外で注目を集めている。

なお本稿には連れ歩きが進化条件になる新ポケモンなど、ネタバレとなりうる情報が含まれるため留意されたい。


『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、『ポケットモンスター』シリーズの最新作。ゲームフリークが開発を手がける。本作の最大の特徴はオープンワールドを舞台に、ほぼ境目なく広がる街や大自然が楽しめることだ。広大なフィールドではポケモンをボールから出して連れ歩くことも可能。「レッツゴー」や「おまかせバトル」といった新システムで、探索や戦闘がスムーズにおこなえる。

そして本作では“連れ歩き”が進化条件となる新ポケモンが登場する。彼らが進化を遂げるためには、連れ歩き状態にて一定歩数歩いたのち、さらに連れ歩き状態にて通常戦闘やアイテム使用でレベルアップする必要がある。そしてこの進化条件をお手軽に達成する手法が発見された。Twitterユーザーのたわし氏が、ツイートにて報告している。同氏のツイートは本稿執筆時点で約9万いいねと約2万2000RTを記録。さらに、海外ユーザーによる引用ツイートで紹介され、そちらも約4万4000いいねと約4000RTを突破。国内外のユーザーから注目を集めている。

たわし氏が伝えたのは、ポケモンと工夫して距離をとることで、プレイヤーが操作して連れ歩かずともポケモンを単独で歩かせる方法だ。同氏は、連れ歩きの進化条件では、ポケモン自体が歩数を満たしていれば条件が達成される点を解説。つまりトレーナーの歩数は進化条件に関係しないわけだ。そして、ライドポケモンのジャンプでほかの建物などからポケモンセンターの屋根に飛び移ることで、トレーナーが動くことなくポケモンだけを歩かせ続けることができるという。連れ歩いていたポケモンは下に取り残され、トレーナーの元にたどり着けずにグルグルと真下を回り続ける。この状態であれば、操作せずに一定時間放置しておけば進化条件となる歩数に自動的に到達。後はレベルを上げれば晴れて進化となる。

弊誌も実際に試したところ、報告通りの挙動が確認できた。一方で、プレイヤーの位置によって連れ歩きポケモンは止まってしまう様子が見られた。しかしちょうどいい位置を探り当てれば、ある程度ポケモンの“回転”は継続。時おり微調整しながら7~8分ほど回転させた後にレベルアップさせ、無事に進化させることができた。


進化条件における連れ歩きでは、該当のポケモンをパーティの先頭から動かすと連れ歩いた歩数がリセットとなる。そのため正攻法では、パーティの先頭を固定したまま進化条件を満たすまで歩き続ける必要がある。また今作ではトレーナーの歩数は計測できない。もちろんポケモンの歩数も同様だ。

そして、トレーナーが連れ歩きポケモンから一定距離離れると、ポケモンは自動でボールに戻ってしまう。いちいちボールから出し直す手間をかけないためにも、移動の際には連れ歩きポケモンが自分に追いつくのを待つ必要があるわけだ。

たわし氏の発見は、そうした連れ歩き時の手間を省き、ほとんど操作せずに進化条件を達成できる便利な手法となっている。ただ、グルグルと歩き回るポケモンの様子を不憫に思うユーザー反応もちらほらと見られる。放置して歩かせ続けるという状態もさることながら、トレーナーを見失いパニックに陥ったかのように見える点が同情を誘うのかもしれない。戸惑うポケモンを、屋根の上から見下ろすトレーナーの様子もシュールだ。


また連れ歩き進化の仕組みは、システム上は単純な歩数カウントだ。設計や設定上の意図として、歩くことそれ自体のほかに、トレーナーとポケモンの密接な時間の積み重ねによる進化を表現したかったとも考えられる。今回の方法は便利な反面、愛着のあるポケモンに使う際にはやや抵抗を感じるユーザーもいることだろう。

一方で図鑑を埋めたい場合など、進化方法にこだわらない場合には、効果的な方法だ。連れ歩きの進化には苦労していたというユーザーも多く見られる。今回の手法を画期的だと称賛する意見も散見され、海外ユーザーからも注目を集めている。もうスティックを輪ゴムで縛る手法に頼らなくて済むわけだ。

ちょっぴり良心の呵責を感じるかもしれないものの、手軽に連れ歩き進化が可能なたわし氏の手法。連れ歩き進化が上手くいかずに苦心していた人は、試してみるといいだろう。



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