ゲームクリエイター桜井政博氏の「猫動画」に勢いあり。ただ猫が映っている映像、数字は直近のゲーム作り動画を上回る
ゲームクリエイターの桜井政博氏は11月18日、自身のチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」にて“猫動画”を投稿した。桜井氏のチャンネルは、主にゲーム作りにまつわる動画投稿されているが、そこに猫動画が投じられた。再生数や高評価数は、直帰のゲーム作り動画を上回るほど注目されているようだ。
YouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」では、初期の『星のカービィ』シリーズや、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ携わる桜井氏が、ゲーム開発・ゲームの面白さなどに関連した話をしていくチャンネル。企画の出し方や、モーションの調整、サウンドの塩梅など、ゲーム作りにおけるコツや仕組みなどを説明していく。動画はそれぞれ3~5分程度で、さくっと見られるコンテンツとなっている。
同チャンネルでは、ゲーム作りにかかわらず、雑談としてゲームしながらの運動のすすめなど幅広いトピックに言及してきた。雑談といいながら、ゲームにも共通するトピックが投稿されていたわけだ。そして11月18日、“真の雑談”コンテンツが投稿された。猫動画である。
桜井氏は、『スマブラSP』が発売されて以来、長きにわたり同作の画像を投稿する「今日の一枚」なる取り組みを続けてきた。その中で時折自身の愛猫の画像を投稿していた。それがふくらし、である。もともとの名前はふくらであるが、語呂がよいのでふくらしと呼んでいるという。桜井氏は今回、猫が見たいという要望に応えるかたちで動画を投稿したという。なので、今回の動画は、そのふくらしをただ紹介する動画。動画の時間の半分は、猫の映像もしくは画像が映されているだけ。しかしながら、再生数や高評価数は勢いがあるようだ。
たとえば、日本版での再生数は11月21日11時時点で約19万。直近の動画とくらべても遜色ない。面白いのは、高評価数が直近の動画と比べると倍近く集まっていること。直近の日本版のゲーム動画は、高評価数が約7000~1万1000ほど。しかしふくらしの動画はすでに約1万8000の高評価が集まっている。
同チャンネルの英語版では、さらにその勢いは顕著。というのも、英語版のふくらしの動画の再生数は、直近1か月の動画の中ではぶっちぎりにトップなのだ。11月に投稿された動画はどれも約5万~12万ほど再生されている。そしてふくらしの動画は、11月21日11時時点で約17万再生。群を抜いて見られているわけだ。桜井氏のチャンネルはコンテンツが多彩で、さすがに『星のカービィ』や『スマブラ』の開発秘話に比べれば、人気は及ばない。しかしながら、猫動画というゲームとはまったく関係のない動画が投稿され、普段投稿されているコンテンツより見られているのは興味深いだろう。
理由としては、猫およびふくらしが数字をもっている……というのは前提として、メディアに多く取り上げられたこともありそうだ。RSSリーダーのfeedlyでは、メディアに数多く取り上げられたトピックはトレンドとしてピックされる。11月19日には一時的に「Fukurashi」がトレンド入りしていた。
同氏による普段のゲーム作り動画が逐一記事化されることはないが、猫動画が投稿されるというのは面白く話題性もある。さまざまなメディアが同猫動画を取り上げており、バイラル化したという側面はあるだろう。あるいは、普段の桜井氏の動画は思考を促す動画なので、思考不要の猫動画が癒やしになった可能性もありそうだ。いずれにせよ、猫は数字をもっているのである。
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