『FF14』かつてミームと化した「ローポリぶとう」がLINE公式スタンプに収録される。その存在感に、吉田P/Dが言及する一幕も


スクウェア・エニックスは11月10日、同社が開発・運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)のLINE公式スタンプの第4弾を新たに発売した。今回のスタンプは、「暁月のフィナーレ」で登場したキャラクターを中心に、全40種のスタンプが収録されている。そのラインナップに、かつて話題となった”とあるミーム”がスタンプとして含まれていることが、ユーザーの間で話題となっているようだ。

今回のLINE公式スタンプは、暁月のフィナーレで登場したキャラクターを中心に、全40種のスタンプが収録されている。その多くは、ユーザーの印象に残るメインクエストのシーンで占められている。しかし中には、『FF14』ユーザーにとっての”あるある”ネタや、半ばミームと化しているものも存在。それらの中に紛れ込み、存在感を放っているものこそが、今回話題となっている「ローポリぶどう」スタンプだ。

そもそも「ローポリぶどう」とは一体なにか。それはかつて「暁月のフィナーレ」の都市・ラヴィリンソスに植えられていたブドウを指す、ネットミームだ。『FF14』ではMMORPGであり、多くのプレイヤーをサーバーに収容するため、メモリの軽量化をはかる必要がある。ラヴィリンソスに存在するブドウも上述の理由から、ポリゴンが削減されていた。しかし、そのあまりのローポリぶりに、ネットミームと化した経緯があるのだ。

このローポリぶどうはパッチ6.01で修正されており、現在は「漆黒のヴィランズ」の都市・クリスタリウムに植えられているブドウと同品質までポリゴンが増やされている。そのため、ローポリぶどうを実際にゲーム内で見ることはもうできない。当時は遊んでおらず、知らないというユーザーも一定数いるはずだ。ローポリぶどうが話題となるきっかけにもなった、ビデオゲームのローポリな食品を収集するTwitterアカウント・Low Poly Videogame Foodsの投稿では、貴重な当時のローポリぶどうの姿を今もなお確認することができる。

『ファイナルファンタジー』シリーズになぞらえて、「まるでクリスタルのようだ」と表現されたこともあるローポリぶどう。実装からわずか2週間で修正されてしまった儚い存在だが、その存在感を気に入った開発スタッフがいたのだろうか。この度、公式LINEスタンプとしてまさかの再登場をはたす。その結果、ローポリぶどうは再び注目を集めることとなった。Twitterの投稿には丁寧に「#ローポリぶどう」のハッシュタグまで添えられており、やはり開発スタッフのイチオシであることがうかがえる。

このローポリぶどうスタンプについて、11月11日に配信された『FF14』の生放送「第72回プロデューサーレターLIVE」において、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(以下、吉田氏)も言及。実際にゲーム内ではもう見ることができないということを強調しつつ、「どういうときに使うんだろうね」と素直な疑問を口にしていた。たとえ『FF14』ユーザー同士であろうとも、ローポリぶどうスタンプが活躍する会話シーンは、たしかに想像しにくい。吉田氏は、なにかのクオリティが低いときに使うのではないかと使用例を挙げながら、そもそもローポリぶどうのネタが通じる人そのものが少ないのでは、と思わずツッコミを入れている。

*該当発言は動画2時間20分28秒ごろから


『FF14』のLINE公式スタンプはローポリぶどうのほかにも、ニッチなネタを題材としたスタンプが多く存在している。たとえば「被ダメージ上昇デバフ・与ダメージ低下デバフ」スタンプは、バトルコンテンツにおいて、おもにギミックを失敗したときに付与されるデバフをネタにしたものだ。ギミックを何度もミスした結果、まれにデバフが大量にされている光景に遭遇する、というプレイヤーの”あるある”を表現している。

高難易度コンテンツに挑戦するプレイヤーにとっては比較的よく見る光景だが、当然ながら通じないプレイヤーもいるはずだ。今回のローポリぶどうスタンプも、その発祥や話題となった期間を考慮してみると、認知度が高いとは言いがたい。やはり異例のスタンプ化といえるだろう。忘れ去られていくだけの存在が再び脚光を浴びたことで、『FF14』ユーザーの間では今後もローポリぶどうが語り継がれていくのかもしれない。そしてスタンプとしての有用な使い道が発見されるかどうかは、今後もっとも注目すべきところだろう。ブドウが生み出す新たなコミュニケーションの可能性に、ぜひとも期待していきたい。

『ファイナルファンタジーXIV』LINE公式スタンプ第4弾はLINE STOREで発売中だ。

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