『ゼルダの伝説』のレゴが、公式ユーザーアイデア募集サイトで頑なに提案拒否されるとの報告。謎の「ライセンス問題」により


『ゼルダの伝説』シリーズと、ブロック組み立て玩具「レゴ(LEGO)」のユーザー投票企画にまつわる報告が、注目を浴びているようだ。レゴは、ユーザーが作ったレゴ作品をもとに、投票を経て製品化する投稿サイトを展開している。しかし報告によれば、現在サイトでは『ゼルダの伝説』関連のアイデア受付を拒否しているのだという。海外メディアBrick Fanaticsなどが伝えている。


レゴブロックといえば、全世界で愛されるブロック玩具。レゴブロックを展開するレゴ社は、新たな商品アイデアをレゴファンから募り実現する「レゴ アイデア(LEGO IDEAS)」を実施している。まず、作品アイデアのあるユーザーが、レゴブロックや3Dソフトで作り上げたレゴ作品を公式サイトに投稿。それを製品化してほしいと思ったユーザーたちが票を投じる。人気のあった企画をベースに、レゴ社が実際に製品化するという流れだ。レゴ アイデアのサイトを覗いてみると、さまざまなユーザー作品が存在。独創的なオリジナル作品のほか、映画「ライオンキング」やゲーム『ラチェット&クランク』などのユーザー投稿作品も散見。そうした人気作品とのコラボ企画提案も人気を集めている。

そうした投稿のなかには、任天堂タイトルにまつわるレゴ作品も散見。『星のカービィ』や『ドンキーコング』などにまつわる作品が確認できる。なかでも目立つのが『ゼルダの伝説』シリーズ作品にまつわる投稿だ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のイワロックを再現した作品や、初代『ゼルダの伝説』をモチーフにした作品まで幅広くユーザーから寄せられている。レゴは以前より任天堂と手を組み『スーパーマリオ』コラボ商品を展開。『ゼルダの伝説』コラボも実現の可能性はあるように思え、期待するファンは多いだろう。しかし、現在レゴ アイデアは、『ゼルダの伝説』関連のアイデア投稿を断っている可能性があるようだ。


レゴ アイデアに実際に作品を投稿するにあたっては、まずその作品が「既存の知的財産(Intellectual Property/IP)をベースとしているかどうか」を入力する必要がある。現在、そこに『ゼルダの伝説(The Legend of Zelda)』と入力すると「このIPをベースとした投稿は受け付けられない」としてエラーメッセージが出現。License Conflict(ライセンス問題)を理由に拒否されてしまうのだ。いつ頃からこの対応が始まったかは定かではないものの、先月末まではレゴ アイデア上で『ゼルダの伝説』に関連したアイデア投稿が見られるため、ごく最近に変化があったと考えられる。

なぜ、突如として『ゼルダの伝説』のアイデアが拒否されるようになったのか。レゴ関連メディアBrick Fanaticsは、ふたつの可能性があるとしている。まず、任天堂とレゴの間で『ゼルダの伝説』コラボ商品の企画が進んでおり、そのために同作ベースの投稿が拒否された可能性だ。実際に両者の間で企画が進んでいるとすれば、企画に干渉する可能性がある『ゼルダの伝説』関連ユーザーアイデア投稿を、サイト上で止めるのも自然だろう。

そしてもうひとつは、別のおもちゃ会社などと任天堂の間で『ゼルダの伝説』コラボが進行している可能性だ。そうなれば、契約の内容によっては『ゼルダの伝説』関連ユーザーアイデアは、レゴで商品化できなくなる可能性も大。したがって、アイデア投稿拒否対応に至ったという考え方だ。Brick Fanaticsは、別のブロック玩具を展開する会社Mega Construxが、現在『ポケットモンスター』とコラボ中である点を言及。アイデア投稿画面で『ポケモン(Pokemon)』と入力すると、『ゼルダの伝説』と同一のエラーメッセージが出ると指摘している。


なお、アイデア登録画面では、現在レゴとコラボ中の『スーパーマリオ(Super Mario)』を入力した際にもエラーが出る。しかしその理由はライセンス問題ではなく、「Current 3rd-Party Overlap」と表記。既存コラボとして、すでに同じような製品が存在しているのが理由と解釈できる。この差異がコラボの秘匿のためか、それとも『ポケットモンスター』と同様の事情なのかも興味深い。

しかし、以上はあくまでも推測に過ぎず、『ゼルダの伝説』アイデア投稿拒否の真相は、レゴ社のみが知るところだ。Brick Fanaticsによれば、『ゼルダの伝説』関連のユーザーアイデアは、以前から幾度も多数票を獲得していながら、いずれも製品化に至っていないという。いずれにせよ、レゴ アイデアに投稿された『ゼルダの伝説』関連レゴ作品について、製品化の先行きはより不透明となっただろう。