ハードコアホラー『The Callisto Protocol』国内Xbox版発売中止。Steam含め日本からの国内正規購入ルートは全滅に

『The Callisto Protocol』の国内Xbox One/Xbox X|S版が発売中止となったようだ。発売間近にPS版の発売が中止となったホラーゲームは、いずれのプラットフォームでも国内から正規購入が難しくなっている。

The Callisto Protocol』の国内Xbox One/Xbox Series X|S版が発売中止となったようだ。発売間近にPS版の発売が中止となったホラーゲームは、いずれのプラットフォームでも国内から正規購入が難しくなっている。

『The Callisto Protocol』はストーリー主導のシングルプレイ・サバイバルホラーゲームだ。物語の舞台は2320年、木星において「死の月」と呼ばれる衛星Callistoだ。プレイヤーは厳重に警備されたBlack Iron刑務所からの脱出を図りつつ、Callistoに潜む恐ろしい秘密に迫っていく。なお、開発を手がけるのはStriking Distance Studio。CEOであるGlen Schofield氏は、かつてVisceral Gamesにて『Dead Space』のエグゼクティブ・プロデューサーを担当した人物である。


本作はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに12月2日発売予定となっており、日本国内向けにも発売が予定されていた。しかし10月28日、本作の日本向け公式Twitterアカウントは国内発売中止を発表。理由としては「CERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)のレーティングを通過できず、内容を変更すると、プレイヤーが期待する体験を提供できなくなると判断した」ためとされた。また予約購入者には返金対応がおこなわれることが伝えられていた。発売中止となるプラットフォームについては明記されていなかったものの、PS Storeからストアページが閲覧できない状態になっていた。

10月28日午前時点で、Steam版および国内Xbox One/Xbox Series X|S版については、予約販売が継続されていた。しかし同日午後になりSteam版のストアページアクセスが不可に。そして11月10日午前には複数のTwitterユーザーが、マイクロソフトストアにてXbox版の購入ができなくなっていると報告。またEpic Gamesストアについても同様で、当時は予約販売継続されていたものの、現時点では購入やカートへの追加が不可能になっている。CEROレーティングベースのPS版の発売が中止されたあと、他レーティングを取得していた別ハードの展開もまた中止になったようだ。


日本の家庭用ゲーム機向けには、レーティング審査を受けて対象年齢などが決定したゲームが発売されている。日本では、パッケージゲームの審査や年齢区分の決定については基本的にCEROに審査を依頼することが必須。一方でダウンロード専用ゲームの販売については、IARC(International Age Rating Coalition)の審査を利用することもできる。IARCは、海外を拠点にするレーティング団体。ダウンロード専用ゲーム・アプリのみを審査対象にしている。

IARCにはプラットフォームホルダーも加盟しており、IARCレーティングなどを付与されたタイトルを扱うかどうかを、それぞれが国・地域ごとに判断している。現在IARCは、ニンテンドーeショップ、PS Store、マイクロソフトストアいずれでも利用可能だ。

『The Callisto Protocol』は、トレイラーなどを見るに主人公などの人間の身体が欠損を伴うようなグロテスクなシーンも多い。PSではCEROレーティングを取得した上で発売される予定だったようだ(Steamストアページでも、CERO審査予定との記述があった)。しかしながら、冒頭に述べたように販売元がCEROレーティングの取得を諦めたことにより、PS版およびSteam版の発売が中止になっていた。一方、Xbox Series X|S版のストアページによると、IARCでは「18+」レーティングが取得されている。ニンテンドーeショップとPS Storeでは「18+」レーティングのゲームは販売不可だが、マイクロソフトストアでは可能。ダウンロードであればXbox版を発売しても問題ないように見えるが、巻き添えになるかたちで発売中止になったようだ。


ちなみにSchofield氏がかつて携わった『Dead Space』は、現在Electronic Arts傘下のMotive Studioのもとでリメイク版が開発中。2023年1月27日に発売が予定されている。こちらはXbox版のストアページでCERO審査予定と表記されており、予約購入ができない状態だ。またSteamストアページおよびEpic Gamesストアは、国内から閲覧不可である。同作もグロテスクなシーンが多い上、ゴア描写はオリジナル版より強化されるとのこと。レーティングの問題により、残虐表現が多いゲームの国内発売が不透明になっており、今後の動向が懸念される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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