「ダークソウルカメラ」が突如“再注目”を浴びる。愛され続けて6年以上の公式アプリ

フロム・ソフトウェアが提供中のモバイルアプリ「DARKSOULS Camera(ダークソウルカメラ)」がリリースから長い時を経て、にわかに人気を博しているようだ。ユーザーたちが多彩な作品を投稿している。

バンダイナムコエンターテインメント/フロム・ソフトウェアが提供中のモバイルアプリ「DARKSOULS Camera(ダークソウルカメラ)」がリリースから長い時を経て、にわかに人気を博しているようだ。写真を『DARK SOULS(ダークソウル)』風に仕立てる同アプリで、ユーザーたちが多彩な作品を投稿している。

『ダークソウル』は、フロム・ソフトウェアが手がける人気アクションRPGだ。緊張感のある戦闘など、硬派なゲームデザインが国内外で高評価を獲得。ダークファンタジーとして描かれる世界観も本作の持ち味となっており、同シリーズは今なお多くのファンに愛されている。


「ダークソウルカメラ」は、そんな『ダークソウル』シリーズにちなんだ写真撮影などが可能なAndroid/iOS向けアプリだ。起動時には、写真の撮影または加工のいずれかを選択。撮影モードではあらかじめテロップやキャラなどで画面内を飾りつけ、それらを盛り込んだ写真を撮ることができる。また加工モードでは、デバイス内の写真フォルダから任意の写真を選択して、同様の飾りつけが可能だ。

テロップとしては、「BONFIRE LIT」「SOUL RETRIEVED」「YOU DIED」など、プレイヤーにとっては馴染み深いテキストが収録。それぞれゲームにおける篝火のアンロック時、失ったソウルの回収時、そして死亡時に表示されるテロップだ。写真内に配置可能なキャラやエネミー、オブジェクトの画像も取り揃えられている。またUIやシステムメッセージも収録。「こちらからは開かない」「霧の中に入る」といった言葉が数種類用意されているほか、HPが満タンまたはゼロのHUDまで完備されている。

同アプリはもともと『ダークソウル3』の完成記念キャンペーンに伴い、2016年に配信された。配信から6年以上が経つ最近になって、本アプリはユーザーから再注目を浴びているようだ。Twitter上では多数のユーザーが本アプリにて加工した画像を投稿。何気ない日常のひとコマが、『ダークソウル』風に変貌している様子が数多く見られる。

たとえば本アプリでは画面内にHUDとキャラを表示させれば、ゲーム画面のような演出も可能。これを愛らしいペットの写真に用いるユーザーも多く見られる。キョトンとした表情の可愛らしい動物たちが、まるで巨大なボスとしてプレイヤーに立ちはだかっているかのような構図だ。下の投稿は本稿執筆時点で約1万件のリツイートおよび3万件ほどのいいねを集めるなど、大きな反響を呼んでいる。たしかに強そうだ。

また別のユーザーも10月18日、本アプリをフォロワーたちとタイの人たちに推薦。ライオンが眠る画像に「誓約を願いますか?」のメッセージを付けたり、旨そうな焼き鳥のレバーの写真に「レバーをひく」メッセージを重ねたりと、ウィットに富んだ用法を見せている。ちなみに誓約とは、『ダークソウル』内においてマルチプレイなどに関わるシステムであった。プレイヤーは特定のNPCと誓約を結んで、派閥を選択可能。誓約を結べるNPCの中にはふくよかな白猫のキャラもいた。動物と誓約を結ぼうとする本アプリによる画像は、『ダークソウル』の世界観にもマッチしているかもしれない。

なお先ほど述べたように、「ダークソウルカメラ」が配信されたのは2016年3月のこと。その後2017年1月のアップデート時にはキャラや敵の合成機能が追加。さらにアップデートを重ね、同年5月に端末内の写真編集機能など多岐にわたる機能が登場。これが現時点での最終アップデートとなるようだ。つまり、5年以上アップデートのない本アプリが今になって急にまた大きな注目を浴びているわけだ。

一方で過去にも、「ダークソウルカメラ」を利用した写真の投稿自体は定期的に見られる。今回注目される以前にも、数か月おきに複数のユーザーたちにより『ダークソウル』風日常写真が投稿されている。「ダークソウルカメラ」が再注目を集めたのは今回が初めてではなく、本アプリの魅力は根強くたびたび一部ユーザーの間で認識されていたようである。

なお、今また本アプリが大きな注目を集めている理由は定かではない。『エルデンリング』発売によるフロム・ソフトウェアファンのさらなる増加も一因なのかもしれない。ちなみに本アプリを利用した投稿としては、以下に紹介する今年9月のツイートが一定の反響を呼んでいる。また先ほど紹介した10月18日の投稿もなかなかのリアクションを獲得している。こうした投稿が今まで「ダークソウルカメラ」を知らなかったユーザーに対し、知名度アップをもたらした可能性はあるだろう。

最終アップデートから5年の時を経て、幾度目かの再流行の兆しを見せつつある「ダークソウルカメラ」。愛され続ける『ダークソウル』シリーズの根強い人気、そしてそのエッセンスを受け継ぐ『エルデンリング』がさらに絶大な人気を博したことも、「ダークソウルカメラ」の注目度を高めているのだろう。なお、中には本アプリのアップデートや『エルデンリング』カメラを望むユーザーも見られる。いつか、フロム・ソフトウェアが別作品でカメラアプリ展開を見せることはあるだろうか。

「ダークソウルカメラ」は、Android/iOS向けに配信中だ。


※ The English version of this article is available here

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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