『SILENT HILL: Townfall』トレイラーの隠しメッセージが暴かれる。そして考察が止まらない

 

コナミデジタルエンタテインメント(以下、コナミ)は10月20日、『SILENT HILL: Townfall』を発表した。ゲームプレイなど大部分はベールに包まれているものの、意味深なティザー映像や開発元情報などが公開。また同作開発者は「ティザー映像に隠された謎」を示唆していた。そうした謎の解明が、シリーズのファンらによってさっそく進められているようだ。

『SILENT HILL: Townfall』は、『サイレントヒル』シリーズ関連の新作となるゲーム。コナミと海外パブリッシャーAnnapurna Interactiveが協力してプロデュースし、イギリスを拠点とするデベロッパーのNo Codeが開発する。そのほかは、対応プラットフォームや発売時期のほか、どのようなゲームプレイの作品となるのかさえも不明。一方で、公開されたティザー映像は男性による語りと映像の断片によって構成された意味深な内容だ。そして本作クリエイティブ・ディレクターのJon McKellan氏は、ティザー映像について「なにか見逃しているかもしれない」と言及。なんらかの謎が隠されていることを示唆していた。

そして、実際ティザー映像には謎が隠されていたようだ。ファンの手によって、またたく間にトレイラーの分析が進められている。Redditの本作コミュニティ/r/silenthillでは、ユーザーであるMilkManEX氏が同トレイラーの音声の解析結果を投稿。同音声をスペクトログラム化したという画像を示している。するとそこには、意味深な文字列があらわれたのだ。

文字列はアルファベット大文字にて「Whatever heart this town had has now stopped」と記述されているように読める。日本語に訳すのであれば「この町の中心(ハート/心臓)となっていたなにかは、もう止まってしまった」といった意味合いになるだろうか。謎が謎を呼ぶ文章ではあるものの、いまだ情報が少ない本作における貴重なヒントとなるだろう。なお、音声に隠されたこの文章については、筆者もツールによる解析で確認している。箇所としては、ティザー動画の52秒頃から54秒頃にかけて、一瞬無音のようになる部分に隠されていた。


ほかにも、同トレイラーにおいて興味を引く部分は多い。たとえば、途中でノイズとともに入る女性のようなつぶやき声については「Alessa(アレッサ)」との単語が聞き取れるとの意見がある。アレッサといえば、初代『サイレントヒル』の重要キャラクターであり、サイレントヒルの町の異変そのものにも深く関わっている。また、映像の面では、トレイラー背景に写っている鍵が初代『サイレントヒル』でのキーアイテム、「教室の鍵」にそっくりだという指摘もなされている。こうした情報を総合すれば、初代『サイレントヒル』に関連した設定の作品となりそうな印象だ。ただし、これらは現段階では、いずれもファンたちの憶測にすぎない点には留意したい。


しかし、それでも考察をやめられないのもファン心理だろう。『サイレントヒル』シリーズはこれまで長らく新展開の音沙汰がなく、ファンたちは悶々と過ごしてきた。そこにきて先日、本作や『SILENT HILL 2』リメイク版などが発表。上述の/r/silenthillなどでは半ばお祭り騒ぎの様相で、新たな作品が熱心に考察・分析されているわけだ。そうした流れも、隠れたメッセージが素早く発見された一因となっているだろう。

なお、本作を開発するNo Codeは、メタ的演出を盛り込んだオムニバスホラー『Stories Untold』や、プレイヤーがAIとなり人間をサポートする『Observation』などのアドベンチャーゲームをリリースしている。いずれの作品も、ゲームプレイや演出面で実験作的な側面をもち、そこがSteamユーザーレビューなどで評価されている。『SILENT HILL: Townfall』についても、独特な体験をユーザーに届けてくれる作品となるかもしれない。

『SILENT HILL: Townfall』は、No Codeが開発中だ。今後の新たな情報公開を待ちたい。