『オーバーウォッチ2』初プレイで、人気配信者が約5年の“チャットBAN”に直面。開発元スポンサー配信といいつつも処罰状態【UPDATE】

『オーバーウォッチ2』は、10月5日より基本プレイ無料で配信が開始された。リリース間もない本作にて、とある人気配信者が約5年間の発言禁止ペナルティ(チャットBAN)処分に直面。海外のゲームコミュニティを中心に話題となっているようだ。

Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)が手がける『オーバーウォッチ2』は、10月5日より基本プレイ無料で配信が開始された。人気対戦FPS『オーバーウォッチ』続編ということもあり、大きな賑わいを見せている。そんなリリース間もない本作にて、とある人気配信者が約5年間の発言禁止ペナルティ(チャットBAN)処分に直面。海外のゲームコミュニティを中心に話題となっているようだ。

話題となっているのは、ストリーマーのTyler Steinkamp(tyler1)氏だ。同氏は現地時間10月13日、『オーバーウォッチ2』の実況プレイ配信をTwitchにて開始。同氏によれば、本配信はBlizzardがスポンサーとして付いていたようだ。視聴者はゲリラ的に発生した同氏の『オーバーウォッチ2』配信に盛り上がりを見せた。

しかし、実況プレイ配信を開始した数分後、Tyler氏が自身のチャット欄を確認してみると「1812日の発言禁止ペナルティが科せられています」との旨の警告文が表示された。約5年にも及ぶペナルティにTyler氏は驚きと怒りを露わに。一方で、しばらくして落ち着きを取り戻すと自身の責任を認める発言をしている。また、Tyler氏の配信スポンサーについての発言が事実であれば、開発元公認のもとで実況しているのにもかかわらず、ゲーム内ペナルティを受けている奇妙な状況にもなってしまったわけだ。

Blizzard公式ウェブサイトのサポートページによると、発言禁止ペナルティとは「悪質なチャットをおこなった者」に科せられるペナルティとのこと。「悪質なチャット」の定義は差別的・わいせつ・攻撃的なコミュニケーションとされ、『オーバーウォッチ』における発言禁止ペナルティ期間は最初の違反で7日間(186時間)。繰り返し同ペナルティを科せられるたびに、その期間は2倍かそれ以上に伸びていき、アカウント自体の停止などにも及ぶ可能性があるという。しかし、Tyler氏は今回が『オーバーウォッチ2』初プレイとのこと。同氏が長期間の発言禁止ペナルティに直面した背景には、同作での違反行為とは別の理由があるようだ。

Image Credit: Tyler Steinkamp

というのも、Tyler氏は以前から言動の過激さで知られるストリーマーだ。Riot Gamesが手掛ける『League of Legends』の実況配信を頻繁に行っており、敵味方構わずに暴言を口にしたり、怒りに身を任せて発言したりするなど。いわゆる“キレ芸”ともいえる振る舞いで知られていた。しかし2016年4月、同氏の振る舞いを問題視したRiot GamesはTyler氏の『League of Legends』アカウントを無期限に停止するという重い処分を発表した。

『League of Legends』にて無期限のアカウント停止処分を受けたTyler氏は、その後『オーバーウォッチ』のプレイを開始。同氏によると、『オーバーウォッチ』はベータ時代から頻繁にプレイしていたようだ。しかしTyler氏の過去の配信によると、同氏は『オーバーウォッチ』においても、10年間におよぶ長期的な発言禁止ペナルティを科せられてしまったようだ。『オーバーウォッチ』のプレイ中においても同氏は文句や悪口を発していたとのことで、そうした行動が同作でも罰せられたと考えられる。

つまり、Tyler氏が今回『オーバーウォッチ2』にて直面した約5年間の発言禁止ペナルティは、かつて『オーバーウォッチ』で科せられた「10年間のチャットBAN」の名残と見られるわけだ。『オーバーウォッチ』から『オーバーウォッチ2』への移行を経てもなお、5年前に発生した発言禁止ペナルティが残っていたのだろう。

Image Credit: Tyler Steinkamp

しかし、今回ペナルティを目の当たりにしたTyler氏は、当時の自身の発言を振り返ってか、「I deserved it(ペナルティを科せられるに値するだけのことはしていた)」とコメント。過去のおこないを反省している様子を見せている。また、過去の話とはなるものの、同氏は2018年に前述の『League of Legends』にまつわるペナルティをRiot Gamesより一部解かれている。同作の実況プレイも継続しておこなっており、素行に一定の改善がなされた様子がわかる。

Riot Gamesからは一定の素行改善が認められ、『League of Legends』配信者としての活動を継続しているTyler氏。しかし、『オーバーウォッチ』においての同氏の過去のおこないとその結果は、約5年の“チャットBAN”というかたちで、依然として残り続けているようだ。いずれにせよ同氏にできるのは、不適切な言動を慎み続けることだけだろう。

【UPDATE 2022/10/15 23:35】
直近のTyler氏による配信によれば、『オーバーウォッチ2』における同氏へのペナルティが一部緩和されたようだ。ボイスチャットなどでのゲーム内コミュニケーションが可能となり、喜びをあらわにする様子が見られた。

Mayo Kawano
Mayo Kawano

豪州在住の薬剤師およびにゲーム翻訳者。サバイバルクラフトゲームを主食として、ステルスゲームはデザートとする。

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