NVIDIAの新型グラボ「GeForce RTX 4080 12GB」が発売中止に。“名前が紛らわしい”ため

 

NVIDIAは現地時間10月14日、新型グラフィックボード「GeForce RTX 4080 12GB」を発売中止すると発表した。理由については、「名称が適切でなかった」との旨が伝えられており、商品名と実際のスペックとの乖離が理由と見られる。

「GeForce RTX 4080」は、NVIDIAが9月21日に発表した新型GPUだ。上位GPUとなる「GeForce RTX 4090」とともに発表され、こちらは10月12日より順次販売中。「GeForce RTX 4080」については12GBモデルと16GBモデルが用意され、11月から発売予定とされていた(関連記事)。今回発売中止が発表されたのは、このメモリ12GBモデルとなる。


発売中止を伝えるNVIDIAの公式ブログ投稿では、「GeForce RTX 4080 12GB」という名称について“正確ではなかった”と言及。4080という名称のもとに2種類のGPUが存在するのは紛らわしいとして、発売中止(unlaunch)の決断に至ったとしている。一方で、16GBモデルについては11月16日から発売される予定のようだ。

実際のところ、「GeForce RTX 4080 12GB/16GB」なる商品名は混乱を招く恐れがあっただろう。商品名だけを見ると、RTX 4080の12GBモデルと16GBモデルの差異は、単にメモリーサイズの違いだけに見える。しかし実際のところ、両モデルにはかなり大きなスペックの違いがあったのだ。たとえば、演算能力の指標のひとつとなるCUDA Core数では、16GBモデルは9728個、12GBモデルは7680個と差がある。また、メモリー自体のスペックについても、16GBモデルはバス幅が256bitである一方で、12GBモデルは192bitとなっている。つまり、12GB/16GBという区分から消費者が想像する以上に、両モデルのスペックの差異は大きかったのである。

NVIDIAが言及した“紛らわしさ”も、商品名称とスペックの乖離のことを指すのだろう。これだけのスペック差であれば、12GBモデルに「RTX 4070」といった名称を与え、下位モデルと設定した方が混乱を防げるだろう。今回の発表のなかで、旧「GeForce RTX 4080 12GB」がどのように扱われるのかは伝えられていない。“再デビュー”となった場合には、どのような名称で帰ってくるのだろうか。