『DOOM』がWindowsの「メモ帳」でプレイされる。 60fpsテキスト描画で、ぼんやり浮かび上がるドゥームガイ

 
Image Credit: Samperson

ゲーム開発者のSamperson氏は10月10日、Windows標準の「メモ帳」アプリでの描画にて、初代『DOOM』を動作させることに成功したと報告した。

Samperson氏が投稿した映像には、テキストで描かれた画面で『DOOM』をプレイする様子が収められている。まず目に入るのは、文字が敷き詰められた「メモ帳」アプリだ。テキストによる画像表現、いわゆるアスキーアートにて描かれた『DOOM』のゲーム画面が確認できる。さらに注目すべきは、その画像が動き、実際にゲームプレイをおこなっている点だろう。アスキーアートの文字列が書き換えられることでゲーム画面が変遷。かなり見づらいものの、「メモ帳」アプリに記述された文字だけで『DOOM』のゲームプレイが描写されていることが分かる。大量の文字列が高速で入れ替わることで、ゲーム画面を表現しているわけだ。

同氏によると、この映像はフェイクではなく、実際にリアルタイムでプレイ可能とのこと。60fpsで動作しており、映像を早送りしているわけではないとも述べている。さらに、使用している「メモ帳」アプリ自体は、何も改変していないそうだ。現時点では仕組みについては公開されていないが、別途実行している『DOOM』の映像を、「メモ帳」アプリに出力しているかたちになるのかもしれない。

Samperson氏は9月24日に、「メモ帳」アプリ内で動作する独自のゲームエンジンについて語っていた。投稿された映像では、同じくWindows標準の「ペイント」アプリで描いた画像が、「メモ帳」アプリにてアスキーアートとして出力されている。そこで同氏が、どんなゲームを動作させるべきだろうかとファンに問いかけたところ、『DOOM』を挙げる意見が多かったため、今回実現させることになったようだ。

『DOOM』というと、開発元id Softwareが非営利目的用途向けにソースコードを公開したことで、さまざまなデバイス上でプレイ可能にされてきた。それはゲーム機にとどまらず、スマートウォッチから冷蔵庫、電卓、トラクター、ATM、妊娠検査キットまで実に多種多様だ(関連記事)。

そうしたデバイスへの移植とは別に、たとえば『DOOM』をアスキーアート画面に変換してプレイできる『1337d00m』といった作品もある。今回Samperson氏が手がけたものは、これに近いスタイルといえるだろう。ただ、今回の場合はWindows標準の「メモ帳」アプリ上で実現してしまったことで、多くの注目を集めることとなった。

Samperson氏というと、PCのデスクトップに“いたずらガチョウ”を放つアプリ「Desktop Goose」を手がけたことでも知られる(関連記事)。高いスキルをもってユーモアあふれる作品を生み出すことが同氏のスタイルのようだ。今回の「メモ帳」アプリ版『DOOM』については、もう少し改善を施したうえで公開するとのこと。数日中にはリリースできるだろうとしている。