PlayStation StudiosゲームのPCリリースは、少なくともPS版から1年経った後に展開される(例外もあり)。責任者が方針明かす
PlayStation StudiosによるPlayStaiton独占タイトルのPC版リリースには、少なくとも1年の期間が見込まれているようだ。PlayStation Studiosの統括責任者を務めるHerman Hulst氏が、インタビューにて明かした。
PlayStation Studiosはソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)傘下スタジオを統括する組織だ。また、SIE傘下スタジオの総称でもある。総括責任者は、Guerrilla Gamesの共同設立者兼Managing Directorを務めたHerman Hulst氏が担当している。
ゲーム情報を扱うYouTubeチャンネルを運営するJulien Chièze氏は、このたびHerman Hulst氏にインタビューを実施。Chièze氏は過去に海外メディアGameblogを共同設立し、編集長を務めていた人物だ。Hulst氏はインタビューに対し、PS独占タイトルのPC版リリース時期を含む、PlayStation Studioの方針を語っている。
Hulst氏によると、PlayStation StudiosはPlayStaiton以外のプラットフォームでの新規ユーザー獲得にも意欲的なようだ。成長を見せるPCでのユーザーに向けては、すでにいくつかのPS独占タイトルがPC向けにもリリース。さらに同ブランドでは、モバイル部門の立ち上げもおこなわれているという。同部門では、今年8月に買収されたSavage Game Studiosが運営される旨が伝えられていた(PlayStation.Blog)。なおPS独占タイトルのPC向け移植については、2021年にSIEが買収したオランダのNixxes Softwareらが協力している。
続いてHulst氏は、同スタジオによるPS向けタイトルのPC向けのリリースについては、PS版の発売から少なくとも1年の間隔を見込んでいることを明かした。確かにPC向けにリリースされているSIEのタイトルは基本的にはPS版発売から1年以上が経過しているものばかり。「PS版が先にリリースされ、PC版は間を置いてリリースされる」というサイクルはなんとなくユーザー側で把握できたものの、このたび「PS版発売から1年以上」という明確な指標が提示された。このロジックに当てはめると、PS5/PC向けに発表されPS5で発売中の『The Last of Us Part I』についても、PC版発売はなかなか先になりそうである。
一方で、Hulst氏によるとライブサービス型のタイトルについてはその限りでないという。同氏は、ライブサービス型のタイトルのユーザーはプレイヤーコミュニティとの強い繋がりを求める点に言及。SIE主導で提供されるライブサービスタイトルは、PSとPCで同時配信となる可能性を示した。PS版とPC版でリリース日が離れてしまうと、ユーザーコミュニティも分かれてしまう、という見解だろう。
なおHulst氏は、現在PlayStation Studiosのブランド下では、およそ25タイトルが開発中であるとも明かした。同氏によれば、そのうち12タイトルがライブサービス形式のゲームになるとのことである。また同氏は、2025年までにSIE主導でリリースされるタイトルの約半分がPCまたはモバイル向けのゲームとなる点にも言及。これは今年5月におこなわれたソニーの2022年度事業説明会にて明かされていた方針だ。現在開発中のライブサービス型タイトルは、SIEが今後展開するPC/モバイル向けタイトルの主流を占めるのかもしれない。
PlayStaitonだけでなく、PCおよびモバイル向けのユーザー獲得にも意欲的なPlayStation Studios。母体となるSIEは今年に入って『Destiny』シリーズのBungieや、Haven Studiosなども買収していた。そうして新たに参入したスタジオの知見を活かし、PlayStation Studiosではライブサービス型ゲームや大型マルチプレイタイトルへの取り組みも積極的におこなわれているようである。今後PlayStation Studiosが打ち出す、PC/モバイル向けのライブサービス型タイトルも注目されるところだろう。