『原神』開発元「螺旋のような常設エンドコンテンツはもうほかに追加しない」と明かす。“過剰な不安”を与えないために

 

原神』開発元HoYoverseが10月1日、海外メディアGameSpotのインタビューにてエンドコンテンツの追加方針について言及。「ファンに過剰な不安を与える可能性があるため」として、 深境螺旋のようなエンドコンテンツの追加を避ける意向を明らかにしている。

『原神』は、中国のゲーム開発会社miHoYoが開発し、HoYoverseブランドのもとに展開されるオープンワールドアクションRPGだ。プレイヤーは世界を訪れた旅人となってテイワット大陸を冒険。7国を巡る物語が、広大な3Dフィールドや個性的なキャラクターたちと共に描かれている。定期的にキャラクターやコンテンツの追加もされており、9月28日にはアップデートVer.3.1「赤砂の王と三人の巡礼者」が配信。セノ/ニィロウ/キャンディスといったプレイアブルキャラが実装され、新たなメインストーリークエストも追加されている。

HoYoverseはGameSpotのインタビュー上で本作のVer.3.1以降の展開を語っている。そのなかで、本作のエンドコンテンツの追加方針について明かされたかたちだ。まずGameSpotは「深境螺旋は現状、ほぼ唯一のエンドコンテンツとなっている」と指摘。深境螺旋と同様のコンセプトのエンドコンテンツを追加する予定の有無について訊いている。そしてHoYoverseは、同コンセプトのエンドコンテンツを追加するつもりは現状ないとの旨を回答。理由としては「深境螺旋のような常設コンテンツを追加すれば、プレイヤーたちに過剰な不安(excessive anxiety)を与えてしまう可能性がある」としている。

【UPDATE 2022/10/5 18:18】
タイトルおよび本文について表現を補足・明確化し、常設コンテンツへの言及である旨を追記

補遺:
元インタビュー記事原文においては、GameSpot側は「深境螺旋のような常設コンテンツの新規追加計画はあるか?」と質問。HoYoverse側は回答にて「(前略)同じようなデザインの常設コンテンツを作れば、プレイヤーに過剰な不安を与えてしまう、そしてすべてのプレイヤーが深境螺旋に興味があるわけではない」との旨を伝えている。本稿においては、以上の文脈を踏まえて、HoYoverseの回答はGameSpot側の質問に対する否定であると解釈し「同コンセプトのエンドコンテンツを追加するつもりは現状ないとの旨を回答」と記述している。

深境螺旋は、本作において多くの熟練プレイヤーたちが足繁く通うコンテンツだ。ステージ突破型のバトルコンテンツとなっており、全12階層に分かれている。難易度としては、8階層までは易しめであり、クリア報酬受け取りも一度きり。しかし9階層以降は難易度が上昇し、定期的に報酬もリフレッシュされる。12階層に至っては、本作最高峰の難関となっている。報酬や力試しを目当てに、『原神』熟練プレイヤーたちが習慣的に挑戦する、事実上のエンドコンテンツとなっているわけだ。


HoYoverseが懸念する「過剰な不安(excessive anxiety)」がどういったプレイヤー心理を指すのかは、解釈の余地があるだろう。ただ、深境螺旋のように戦力が最重視されるコンテンツが増えれば、いわゆる「強キャラ」への希求のさらなる激化などにも繋がる。そして、「強いキャラをなんとしても祈願(ガチャ)で手に入れなければ」「さらにバリエーション豊かなキャラを手に入れて、どんなバトルにも対応できるようにしなければ」といったプレイヤー心理が、過度に刺激される状況にも繋がりかねない。

HoYoverseが「深境螺旋的」なコンテンツ追加を避けるとしたのは、そうした傾向を避け、初心者などにも遊びやすい環境を作りたいという姿勢の現れかもしれない。上述の質問のなかでHoYoverseは「プレイヤーがみんな深境螺旋に興味があるわけではない」ともコメント。『原神』内に今後実装予定のカードゲーム「七聖召喚 」を例にあげ、バリエーション豊かなコンテンツの提供に注力する姿勢を示している。

『原神』は、PlayStation 4/PlayStation 5/PC/iOS/Android向けに配信中。アップデートVer.3.1「赤砂の王と三人の巡礼者」は9月28日より配信されている。