Steam版『CHAOS;HEAD NOAH』発売中止へ。内容がSteamガイドラインと折り合いつかず

スパイク・チュンソフトは10月1日、『CHAOS;HEAD NOAH』Steam版のリリース中止を海外向けに発表した。Steamガイドラインとゲーム内容に折り合いがつかなかったためであると伝えられている。

スパイク・チュンソフトは10月1日、『CHAOS;HEAD NOAH』Steam版のリリース中止を海外向けに発表した。Steamガイドラインとゲーム内容に折り合いがつかなかったためであると伝えられている。

『CHAOS;HEAD NOAH』は、2008年にWindows向けに発売されたアドベンチャーゲーム『CHAOS;HEAD』に、新規要素を追加したコンソール/モバイル向け作品。MAGES(当時5pb.)が手がける科学アドベンチャーシリーズ第1作目となるタイトルだ。主人公となるのは“引きこもり一歩手前”の高校生である西條拓巳。本作では、彼が連続猟奇殺人事件に巻き込まれていく物語が描かれる。ゲームプレイでは、「妄想トリガー」と呼ばれるストーリー分岐に関わるシステムが特徴。ポジティブあるいはネガティブな妄想を選択することで、拓巳の体験する物語は変化していく。


Steam版『CHAOS;HEAD NOAH』は日本時間10月8日発売予定であると告知されていた。しかしながら販売元スパイク・チュンソフトは、同作をリリースできない旨を発表。理由としては、Steamガイドラインに基づき、ゲーム内コンテンツの変更が必要になったためであると伝えている。スパイク・チュンソフトが基準とする内容では本作をSteamでリリースできなくなったため、同プラットフォームでの発売は取りやめとなるようだ。

なお本作のSteamストアページは今年の2022年4月に公開されていたものの、8月には削除(SteamDB)。ユーザーの間ではSteamでのリリースが危ぶまれていた。今回の公式発表により、そうしたユーザーの懸念が的中してしまったかたちとなる。

本作は先述の妄想トリガーなどに加えて、グロテスクな描写も特徴となるゲームだ。Xbox 360およびPS Vita向け『CHAOS;HEAD NOAH』は、『CHAOS;HEAD』の表現を可能な限り忠実に移植し、CERO:Z指定タイトルとして発売された。PS3/PSP版では表現が一部変更され、CERO:D指定となっている。ようするに本作には、マイルドにされた状態でもCERO:D指定のタイトルとなる程度にはグロテスクな描写が含まれているわけだ。


一方でグロテスクな描写を含む、というだけであればSteamにも該当する作品が一定数販売されている。そうした中で『CHAOS;HEAD NOAH』がSteamガイドラインに適さないと判断された理由として、主要な登場人物が高校生であることが関係しているという見方もあるようだ(Ars Technica)。たしかにSteamのガイドラインでは、「子供を不当に扱う一切のコンテンツ」が公開すべきではないものとして案内されている。高校生キャラが関係するゴア描写が、この条項に抵触した可能性はあるだろう。

なお本作と設定を同じくする後継作としては『CHAOS;CHILD』が存在し、コンソール版ではCERO:Z指定タイトルとして販売されている。『CHAOS;HEAD NOAH』と同じく高校生が主要キャラとして登場し、グロテスクな描写も特徴となるタイトルだ。一方でこちらは、2019年にSteam版もリリースされている。2019年当時に比べてSteamの基準が厳しくなったのか、それとも『CHAOS;HEAD NOAH』での特定の描写が基準に抵触すると判断されたのか。詳細は定かではない。

『CHAOS;CHILD』


今後『CHAOS;HEAD NOAH』のPC版については、かわりとなるプラットフォームを通しての配信が検討されているそうだ。詳細が決定次第、改めて正式発表がおこなわれるとのこと。またSteam版と同時に発売予定であった海外Nintendo Switch版の本作は、予定どおりリリースされるとのことである。

『CHAOS;HEAD NOAH』は、国内向けにはNintendo Switchを含むコンソールおよびモバイル向けに発売中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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