『スーパーマリオメーカー2』にて、「スーパーマリオブラザーズ5」をイメージした力作ワールドを作り上げたユーザーが現れたようだ。Polygonなどが伝えている。
『スーパーマリオメーカー2』はNintendo Switch向けに2019年に発売された横スクロールアクションゲーム。WiiU向けに2015年に発売された『スーパーマリオメーカー』の続編となるタイトルだ。本シリーズの特徴は、さまざまなパーツを組み合わせて「スーパーマリオ」シリーズ過去作にない、オリジナルのコースを作成できること。過去作のグラフィックを再現可能なスキンが複数収録されており、ドット絵または3Dグラフィックで思い通りにコースを作れる。作ったコースは他者と共有可能で、コースを遊んだり評価したりすることができる。そしてVer.3.0.0からは、作成したコースを1つのワールドにまとめることもできるようになった。この機能により、全8ワールド、40ステージまでまとめあげることが可能だ。
そしてこのたび本作にて「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの続編をイメージしたという、一大ワールドを作り上げたユーザーが現れた。制作者であるMetroid Mike 64氏は現地時間9月24日に、自身の作品を『スーパーマリオメーカー2』内で公開。その後Twitter上でコースIDを公開している。
Metroid Mike 64氏は今回公開作成したワールドに、非公式に「Super Mario Bros. 5(スーパーマリオブラザーズ5)」と名付けている。本ワールドには、1作にまとめられる最大数である8ワールド40コースが収録。Mike氏によればそのうち24コースが『スーパーマリオワールド』スキンで制作されているとのこと。ほかの14コースが『スーパーマリオブラザーズ3』スキンで、残りの2コースが初代『スーパーマリオブラザーズ』スキンで制作されているという。「スーパーマリオブラザーズ」シリーズをすべておさらいできるようなワールドとなっていそうだ。
本ワールドをプレイする様子はYouTubeチャンネルGameXplainにて確認できる。最初のコースはスタート位置にスーパーキノコが出てくる「?」ブロックが配置されていたり、クリボーが配置されていたりといったオーソドックスなつくり。そして、2つ目のコースは初代『スーパーマリオブラザーズ』スキンで制作されている。ワールドマップにはキノピオの家でのボールキャッチのほか、スロットのように回転する絵を合わせるミニゲームなども用意。『スーパーマリオメーカー2』に備わっている要素が活用されているようだ。
Metroid Mike 64氏いわく、本ワールドの制作は2015年から始まっていたという。前作『スーパーマリオメーカー』のころから、オリジナルの「スーパーマリオブラザーズ5」の構想がスタートしていたのだろう。同氏の過去のツイートを見ると、『スーパーマリオメーカー』から移植した自作コースもある様子。『スーパーマリオメーカー』シリーズ2作品にわたり、約7年の間に制作されたコースが結集しているわけだ。
そのほかのMetroid Mike 64氏のツイートからは、コース内やボス戦における多彩なギミックが並々ならぬこだわりをもって制作されてきたことがうかがえる。特にボス戦においては、Ver.3.0.0で追加された「クッパ7人衆」が活用されているようだ。そのうちの一体であるロイはUpside Down Townと呼ばれるコースのボスとして登場。ボス戦ステージにはよく見ると横向きのトランポリンが敷き詰められているのだが、これは単なる装飾ではないらしい。
『スーパーマリオメーカー2』でのロイは地中に潜り、ほかの場所や天井に移動しながら戦闘を繰り広げる。本来今作のロイは地面であればどこでも潜ってしまうようだが、Metroid Mike 64氏は土管だけに潜らせようと研究を重ねたようだ。結果、同氏はロイが横向きにトランポリンが設置されている場所には潜れないことを発見したという。一見単なる装飾のようにも思えるものの、システムを考慮したうえで横向きトランポリンが敷き詰められていたわけだ。
そのほかにも同氏のワールドには、並々ならぬこだわりが詰まっているようだ。たとえば、クッパが溶岩に落ちる際のエフェクトひとつとっても、プレイを重ねながら検討されているとのこと。同氏のコース作成ノウハウが気になる方は、過去のツイートを参照してみるといいだろう。
なお本ワールド公開後、Metroid Mike 64氏のもとには通知が鳴りやまないほど膨大な「いいね!」が寄せられているそうだ。約7年間コースの作成し続けていた同氏にとって、初めての経験だという。投稿と共に添えられた動画を見ると、1分と経たないうちに1000件前後のいいね数が連続で通知され続けていることがわかる。同氏こだわりの「スーパーマリオブラザーズ5」風ワールドは公開後まもなく、数多くのユーザーに楽しまれているようだ。
『スーパーマリオメーカー』から7年間にわたって自作のコース制作を続けてきたMetroid Mike 64氏。Ver.3.0.0のさまざまな新機能を盛り込みながら、同氏の思い描いたファンメイドの「スーパーマリオブラザーズ5」はついに完成を見たようだ。気になる人は同氏のワールドを遊んで、こだわりのギミックの数々を堪能してみてはいかがだろう。