『スプラトゥーン3』ロビーでの待機中に「ゲーム内ゲーム」が生み出される。バンカラ街の若者は待ってるだけじゃいられない
『スプラトゥーン3』のオンラインマッチ時の待機ロビーで、思わぬ遊び方をしたプレイヤーが話題になっている。本作でバトルをする際には、ロビーで対戦相手やチームメイトとマッチングするのを待つことになる。その待ち時間を利用した暇つぶしのアイデアが、脚光を浴びている。
『スプラトゥーン3』で追加された新たな要素として、マッチング待機時のロビーに試射場が備え付けられている。そこでは装備したブキを使って床を塗ったり的を撃ったり、キャラクターコントロールが練習できたりと、暇な待ち時間にバトルの練習ができるよう配慮されている。このロビーのシステムは、シリーズ第3作目を迎えた本作において、細かい改善ながらも評価されているポイントのひとつだ。
『スプラトゥーン3』は発売から3日で国内売上が345万本を突破したことが発表されている(関連記事)。間違いなく人気のタイトルでプレイヤー数も多いと見られるが、プレイヤーの多さゆえに混雑してか、状況によってはマッチングしづらいこともあるようだ。そしてフレンドと一緒にプレイする際、長いマッチング時間にユニークな遊びをするプレイヤーがSNSに現れた。投稿した海外のストリーマー・Failboat氏は、試合開始を待つフレンドと共に、『ポン』を楽しむ様子を紹介した。
『ポン』は世界初のビデオゲームと言われている2人で対戦するテニスゲームだ。プレイヤーはパドルを操作して画面内のボールを打ち返し、打ち返せなければ相手側に得点が与えられる。ビデオゲーム黎明期に登場したシンプルなルールのゲームだ。
Failboat氏は、『スプラトゥーン3』の協力プレイモードであるサーモンランの待機ロビーで、ボール役のフレンドをパドル役のフレンドと打ち返しながら爆笑。ラリーを繰り返しながらも、最後は相手が打ち返しに失敗し、明後日の方向へボールが飛んでしまって失点する結果となる。
当然ながら『スプラトゥーン3』には『ポン』をプレイするシステムはなく、3人のごっこ遊びだ。彼らは本作からの新アクション・イカノボリを駆使して、それぞれパドル役とボール役を演じている。ただそれだけのことではあるが、フレンドとのこうした小さな遊びが笑いのツボにハマることは万国共通のようだ。ロビーでは『ポン』ごっこ以外にも、イカノボリを使ってDVDプレイヤーのスクリーンセーバーごっこをしているプレイヤーも存在している。
ほかにもマッチング待機中にロビーを塗れることを利用して、ひたすらにロビー全体を塗り潰すプレイヤーもいる。これはインクが塗られていない場所を見たら塗らずにはいられない、『スプラトゥーン』プレイヤーの習性だ。イカになって、ただただ跳ねる、そんな牧歌的な待ち方も良いだろう。
前述のとおり、的のダミイカを使ってエイムの練習をしたり、撃ち合いにおいて有利になる新アクションのイカロールを使いこなす練習をしたりといったことが、割と一般的なロビーの使い方だ。しかし、たまには息抜きがてら、フレンドとこうしてのんびりと待ってみるのもありではないだろうか。そして、1人の時は本能のまま、すべてを塗り潰してほしい。
ちなみにマッチングしにくい問題は、フレンドと共にバンカラマッチに参加するオープンモードで特に見受けられるようだ。この問題に関しては、新規プレイヤーがバンカラマッチに参加できるランク10に到達していないため参加人数が少ない、という背景もありそうだ。また、ランクに関係なくバンカラマッチに参加できる『スプラトゥーン2』からのプレイヤーでも、ウデマエにばらつきがあるため人数が足りない状況になっている可能性も考えられる。新規プレイヤーがバンカラマッチに参加できるようになることで、この問題は解消されるかもしれない。
さらに通信エラーの問題も起きている。こちらは筆者の環境での体感としては、マッチング成立時に起きることが多く感じる。プレイヤー数の多さに起因するものと予想されるが、もしかしたらシステムに何らかの不具合が存在している可能性もある。本件については更新データの配信が予定されていることが、『スプラトゥーン』公式Twitterアカウントより既に発表されている。この問題は発生タイミングによってプレイヤーがペナルティを負うこともあるため、早期の対応を待ちたい。
そうしたマッチングのしにくい状況や通信エラーなどに見舞われながらも、プレイヤーたちは試射できるようになったロビーという新たな遊び場で、それぞれの遊び方を見つけている。それは『スプラトゥーン3』への情熱の表れにほかならないのではないだろうか。この熱意がさらにどんな形になっていくのか、楽しみなところである。
『スプラトゥーン3』はNintendo Switch向けに発売中だ。9月24日9時から9月26日9時にかけて、本作初のフェスが開催されることが発表されている。