ドリキャス用”非公式”ビジュアルメモリ「VM2」が登場。microUSBポートを搭載するなど勝手に次世代化
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Dreamware Enterprisesは9月8日、ドリームキャスト用メモリーカード「ビジュアルメモリ」の次世代版「VM2」のクラウドファンディングキャンペーンを開始した。「VM2」はビジュアルメモリの見た目はそのままに、より解像度の高いLCDスクリーンやmicroUSBポートを搭載したアップグレード版といえる製品になっている。目標額の9万ユーロ(約1千300万円)に対し、記事執筆時点で調達額はすでに4万ユーロに到達。目標の約45%の金額に到達しており、まずまずの滑り出しを見せている。
ビジュアルメモリは、ドリームキャスト用のメモリーカードとして1998年に発売された製品。「スクリーンとボタンを搭載し」「単体でゲームが遊べる」メモリーカードとして販売された点が特徴だ。なお、同コンセプトの製品としてはPlayStation用周辺機器のPocketStationがあったものの、ビジュアルメモリが先発となっている。キャンペーンページによれば、「VM2」はこのビジュアルメモリを再現し、さらなるアップグレードをほどこした製品であるという。
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「VM2」の外装は当時のビジュアルメモリを踏襲しており、LCDスクリーンや各種ボタン、コネクタをカバーするキャップなど、忠実に再現されている。大きくオリジナルと異なるのは、側面にmicroSDカード用のスロットが追加されている点。および当時の製品ではストラップホールがあった底部に、microUSBポートを搭載している。なお、製品画像ではドリームキャストのロゴにいたるまで丁寧に模していることが確認できるが、SEGA社やドリームキャストについてのライセンス表記は確認できなかった。当然ながら無断でロゴを製品に使用する行為は著作権侵害にあたる恐れがあるため、製品化までに変更されると信じたい。
スペック面については当時の製品を踏襲しつつ、現代の環境に合わせた高機能化を実施している。当時の製品と同様に英語・日本語表示に対応しており、オリジナルオーディオをサポート。ドリームキャスト用カメラ「Dreameye」にも対応しているという。さらに128KBの内部ストレージに加え、microSDカードに対応。内部ストレージの空き容量を気にせず使用することが可能だ。あわせてバッテリーも高容量化しており、microUSBポートを備える。こちらはPCとの接続や充電に対応したかたちだ。
この「VM2」の製作を手がけるのは、Chris Daioglou氏。過去にはワイヤレス仕様のドリームキャスト対応コントローラー「Dreamconn+」を独自に製作した経験を持つ人物だ。現在、VM2は設計の大部分を完了しているとのことで、クラウドファンディングで集めた資金は製品化のために使われるとのこと。生産や品質チェックを経て、2023年8月の出荷を予定している。
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「VM2」は出資者へのリターンとして、115ユーロ(約1万7千円、送料別)以上の出資で入手可能。色は白と黒の2種類から選択可能だ。また配達可能地域は限定されていないため、日本からも購入できるものと思われる。詳細はIndiegogoのキャンペーンページをご覧いただきたい。
※ The English version of this article is available here