『Apex Legends』プロ選手が「チート対策スタッフを炎上させたい」と明かし批判殺到。チートに惑わされたプレイヤーの哀れな私怨劇

 

『Apex Legends』プロ選手の、チート対策チームや開発元への攻撃的な言動が物議を醸しているようだ。Dexertoが伝えている。

『Apex Legends』においては、チートなどの不正行為への対策として、ゲーム内の通報フォームのほか、通報窓口となるTwitterアカウントが用意されている。不正行為の確認できるクリップなどを報告すれば、不正者のアカウント停止などの対応をおこなってくれる。具体的には、Respawn Entertainmentでセキュリティアナリストを務めるHideoutsことConor Ford氏のほか、国内向けにはRin Matsuoka氏が対応している。また、ほかのスタッフやチートの自動検知システムなども合わせて、チート対策がおこなわれていることだろう。


一方で、そうしたセキュリティチームに対して不満を漏らしていた海外プロ選手のとある言動がリークされ、同選手への批判が渦巻いている。問題の選手はFURIA所属のHisWattson氏。FURIAは『Apex Legends』の公式世界大会「Apex Legends Global Series Championship」において2位を記録した強豪チームだ。

HisWattson氏は9月5日、本作のセキュリティチームに苦言を呈するツイートを投稿。週末はセキュリティチームに誰も出勤していないとの情報を得たといい、自身がストリーミング配信をおこなうこともままならないと主張している。同氏は以前にも、チート利用者が自身の配信時間帯に蔓延しており、配信中にプレイ不可能な状態であることを指摘していた。また直近では不正者によってマッチ中にキックを受けたことを報告している。

上の投稿の翌日、HisWattson氏とデータマイナーと見られる人物autismgamingとのDiscord上でのやり取りがリークされた。HisWattson氏によると、autismgamingが自身のツイートに不審な反応しているのを発見。HisWattson氏はautismgamingのTwitterのプロフィールから、Discordの連絡先を見つけたのだそうだ。リークされたDiscord上のやり取りの中でHisWattson氏は、自身がゲーム内で集中的に不正者に狙われていることに関してautismgamingに情報を求めていたようだ。一方でautismgamingはそうした情報をHisWattson氏に与える気はないようで、「Hideouts氏に聞いてくれ」と返答。さらに「彼(Hideouts氏)の手伝いをするメリットもない」と説明している。

これに対しHisWattson氏は「俺もHideoutsのことは憎んでいるよ、Twitter上で道化にしてやりたい」と返信。自身を妨害する不正者が誰であろうと構わないとして、不正者を通報する気もないと述べている。つまり、HisWattson氏は悪意をもってHideouts氏を陥れようとしているようだ。くわえてHisWattson氏はHideouts氏が自身の意見や要望を積極的に無視している、との見解を示している。プロプレイヤーとして運営スタッフに私怨を抱いていることがわかる。

続くやり取りでautisgamingは、HisWattson氏に対して「俺が(HisWattson氏をわざと付け狙っている)チーターかもしれないよ」と反応。これに対しHisWattson氏は、もしそうでも誰にも通報しない、との答えを返したのである。同氏は、何が起きているかを知りたかっただけとした一方で、TwitterでEAを炎上させることができればいいとの旨を述べている。そしてautisgamingはこのやり取りをおさめたスクリーンショットをTwitter上に投稿。その内容が物議を醸すことになる。

クリエイターのThordan Smash氏などがこのスクリーンショットを引用してHisWattson氏の言動を激しく批判した。それもそのはず、プロプレイヤーであるHisWattson氏はチート対策スタッフに寄り添うどころか、自分の言うことを聞かないとしてあえて陥れようとしていたのだから。一方、HisWattson氏は自らこのツイートを引用し、弁解するどころかさらに過激な発言を投稿した。HisWattson氏はチャットの内容は公然の情報だと述べ、改めてEAやHideouts氏のことを憎んでいるとコメント。チーターを通報する気もないと付け加えた。

https://twitter.com/HisWattson/status/1567165194392018946

HisWattson氏による一連の開発元への攻撃的な発言に対しては、プロ選手なども反応。TSMに所属するAlbralellie氏は、HisWattson氏の「TwitterでEAを炎上させようとしていた」ような発言を指摘。EA公式イベントへの参加を禁止される可能性を示しつつ、自分自身の行動を真剣に見つめなおすように注意を促している。

HisWattson氏はこの指摘に対して、スクリーンショットを公開されると分かっていればもっと上手い表現があったと弁解。Hideouts氏についてはautisgamingの発言につられるかたちで言及したと主張している。さらに続くリプライでHisWattson氏は、特定の人々を炎上させるためではなく、あくまで善良な目的でautisgamingを問い詰めたのだと説明している。

本稿執筆時点で、開発元やHideouts氏はHisWattson氏に対し反応を見せていない。なおHideouts氏は、本件ののちゲーム中にプレイヤーから労いの言葉をかけられる一幕もあった様子。Hideouts氏はこれを受けて「Apexコミュニティを愛しているよ」とコメントしていた。

『Apex Legends』には依然としてチーターが存在しているのも事実。一方で、HisWattson氏は普段から素行があまり良いとはいえない。たとえば、チート対策チームの睡眠時間にチーターを焚きつけるかような言動が注目を集めたこともある(関連記事)。チートをなくすためという大義のためにそうした過激な行動を起こしているという見方もあったが、今回過激行動が私怨目的であることが露になった。どんな動機であろうと、スタッフや企業を意図的に陥れる行動は許されるはずもない。HisWattson氏の行動はこれまでの動向を含め、今後何をしても私怨目的ではないかという疑念はつきまとうことだろう。行動には責任が伴うのである。