『オーバーウォッチ』“HUD全消し無音”のグランドマスターが誕生。情報不足ゴリラが大暴れ

『オーバーウォッチ』にて、厳しすぎる条件のもとランク戦モードの最上級レーティングとなるグランドマスターを目指す挑戦がおこなわれたようだ。見えないはずの情報を経験で補うプレイが注目を集めている。PC Gamerが伝えている。

オーバーウォッチ』にて、厳しすぎる条件のもとランク戦モードの最上級レーティングとなるグランドマスターを目指す挑戦がおこなわれたようだ。見えないはずの情報を経験で補うプレイが注目を集めている。PC Gamerが伝えている。


『オーバーウォッチ』は6対6の対戦モードをメインとした、競技性の高いオンラインFPSゲームだ。2016年からPC・コンソール向けに配信されている。各チームは攻守に分かれ、「ポイントを一定時間占拠しつづける」「輸送物をエスコートする」などの目標を達成、あるいは妨害して勝利を目指していく。本作にはランク戦モードとしてライバル・プレイが用意されており、ブロンズからグランドマスターまでのレーティングクラスが存在する。

そんな本作のライバル・プレイにて、とある条件のもと初期アカウントから最高クラスであるグランドマスターまで駆け上がったプレイヤーが現れたようだ。チャレンジをおこなったのはTwitchストリーマーのbogur氏。同氏の挑戦は、設定にてオフにできるあらゆるゲーム内情報を徐々に消していくというものであった。

上のアーカイブ映像は挑戦最終日の配信だ。まず気が付くのは、ゲーム画面がすっきりしすぎているという点。本来存在するはずのHUDが完全に消失。まるで実際のゲームプレイ映像というより、宣伝用映像のようだ。さらに配信では、bogur氏の操作するキーボードとマウスの音だけが寂しく鳴り響いている。同氏のチャレンジは最終的に、解像度やレンダー・スケールを下げたうえで、HUDをすべてオフにして、無音でプレイするという状態に行きついてしまったようである。これがどれだけ不便な状態にあるかは、同氏の挑戦初日の様子と比較するとわかりやすい。


本チャレンジの初日の配信は上のアーカイブ映像にて確認できる。本チャレンジはサブスクリプション数に応じて、“縛り”の条件が追加されていった。そのためチャレンジ開始当初は、デフォルトのゲーム画面でプレイされていたわけだ。初日のゲーム画面では、最終日で消失していたさまざまな情報が確認できる。左下にはキャラのアイコンおよび体力。右下には武器の弾数やアビリティのチャージ状態などが存在。画面中央にはゲームプレイにおいて特に重要なアルティメットのゲージが表示されている。

また、初日では占拠またはエスコートすべき目標なども確認可能。味方の位置やチャット表示といった連携に役立つ情報もある。さらに当初はゲーム音声もあり、ボイスチャットもオンになっていたようだ。初日と最終日のを比べると、その情報量の差は一目瞭然だろう。最終的にこれらをすべてオフにした最低限の情報量のなかで、bogur氏はチャレンジを達成したわけだ。


こちらのアーカイブ映像では、挑戦達成時の試合の様子が確認できる。bogur氏が使用するヒーローはウィンストンだ。同氏はウィンストンのメイン射撃であるテスラ・キャノンを的確に挟みつつ、状況に応じてアビリティで跳躍したりバリアを展開したりして、危機を切り抜けている。アルティメットアビリティも持て余すことなく発動させており、ほかのプレイヤーは同氏が最小限の情報だけでプレイしているとはよもや思わないだろう。ちなみにテスラ・キャノンは前方の広範囲に攻撃を当てることができるため、正確に狙いを定める必要がない。クロスヘア(照準アイコン)を表示できない本チャレンジとの相性もよいのだろう。

なお本チャレンジでは開始後2時間の時点ですでにHUD表示とボイスチャットがオフとなっていた。その後条件は次々と追加されていき、初日の終了時点にはすでに達成時と同じ条件に行きついていたようだ。つまり、チャレンジの大部分はもっとも厳しい条件にておこなわれていたことになる。ちなみに初日の配信時間は25時間57分。その後連日6~18時間の長時間配信が続けられ、7回目の配信にて晴れて達成を迎えた。初期アカウントからグランドマスターへの到達を目指すチャレンジは配信者などによりしばしばおこなわれるものの、bogur氏のチャレンジはそうした挑戦と比べても非常に長い時間を要したようだ。

達成時には「やったぞ!」と歓喜の声を上げたbogur氏。コメント欄も沸き立っており、過酷なチャレンジの達成をユーザーも祝福しているようだ。なお同氏は達成の際に、ほとんど食事や睡眠をとっていなかったとも述べている。なぜかゲーム外でも自分に厳しい制約を設けていたようである。ちなみに、本件を取り上げたインフルエンサーのJake Lucky氏に対してbogur氏は、すべてを投げうって達成したとのリプライを寄せていた。

新作『オーバーウォッチ2』配信を目前におこなわれた、HUDや音などをシャットアウトしたグランドマスター到達チャレンジ。Bogur氏の豊富な経験と腕前により、困難を極める挑戦は無事に達成されたようだ。同氏の新作での戦いぶりも楽しみにしたいところだ。なおBogur氏は今回の挑戦によって完全に消耗したとして、数日間の休息をとると表明している。

オーバーウォッチ2』は日本時間10月5日、PC/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに早期アクセス配信開始予定。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

記事本文: 2639