『エルデンリング』のシカ神ボス「祖霊の王」の、隠れたこだわり演出が脚光浴びる。犠牲でタイプチェンジ
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『エルデンリング』のボスである「祖霊の王」には、多くの動物たちが付き従っている。一見、ただの演出のようにも見える動物たちがもつ、意外と気づかない役割を、海外YouTuberが分析・報告している。なお、本稿には祖霊の王に関するネタバレが含まれるため、留意してほしい。
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『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPG。本作は『ダークソウル』シリーズなど同スタジオ過去作のゲームプレイを色濃く受け継ぎつつ、舞台は広大なオープンフィールドへ。多くの新要素も盛り込んだ新作となっている。そして本作の特徴のひとつといえば、印象的な敵キャラクターたちだろう。なかでも「動物」や「精霊」といった雰囲気を色濃く纏っているボスが、「祖霊の王」である。
祖霊の王は、「永遠の都、ノクローン」で待ち構えるボスだ。見た目としては、「鹿をそのまま神格化させた」かのような威容が特徴。多重に枝分かれした角や、「死から芽吹く命」といった関連フレーバーテキストなど、生死を繰り返す大自然の営みを強く感じさせるボスとなっている。そして祖霊の王との戦闘の際には、ボスエリア内に幽霊めいた多数の動物たちが出現。戦闘に独特の雰囲気を演出している。
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そんな動物たちは戦闘エリアをうろつくだけのように見えて、実はいくつかの役割を担っていたようだ。まず、比較的知られている動物の機能としては、祖霊の王の回復源となることだろう。祖霊の王は体力が減ってくると、動物たちを犠牲にするかのごとき挙動で体力を取り戻すのだ。しかしそれだけではなく、この動物たちには「祖霊の王の依代」あるいは「ワープポイント」となる役割があったという。『エルデンリング』分析コンテンツなどで知られるYouTuberである、Zullie氏が報告している。
祖霊の王は戦闘中にしばしば、エリア内でワープを実行する。しかし、Zullie氏によれば、その際の出現先は完全ランダムではないという。祖霊の王はエリアに散らばる動物たちの一匹を選択して、その場所にワープするというのだ。実際に動画を見てみると、出現場所の動物が苦しむような挙動を見せ、そこから祖霊の王がまるで乗り移るかのように出現する様子が見受けられる。自然の化身たる祖霊の王の残酷さを表現するような、細やかでニクい演出といえるだろう。
さらにZullie氏によれば、祖霊の王はワープ先とした動物の特徴さえも受け継ぐのだという。たとえば、犠牲になったのがウサギの場合はピョンピョンと飛び跳ねて攻撃し、イノシシであれば突進などの攻撃を繰り出してくるようになるという。依り代として犠牲になった動物の戦い方を、そのまま活かしてくる演出がなされていたわけである。
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今回の報告はボス戦闘における、単なる些細な仕様のひとつだろう。しかしその一方で、祖霊の王というボスを表現するため盛り込まれた、こだわりの演出でもあったわけだ。『エルデンリング』にはほかにも、知れば知るほど味の出る演出が隠れていることだろう。