オープンワールド釣りゲーム『Call of the Wild: The Angler』ユーザー不評を受け開発元がはやくも改善を宣言。ダサ扱いの「今だ!」などに着手


ゲーム開発スタジオExpansive Worldsは9月2日、オープンワールド釣りゲーム『Call of the Wild: The Angler』リリースから24時間で集まった問題をリスト化して公開。さらに、それを受けてのホットフィックスが配信された。本作はリリース初日で一定の同時接続プレイヤー数を獲得しながらも、Steam内のユーザーレビューでは厳しい指摘を受けていた。

『Call of the Wild: The Angler』は8月31日にリリースされた、広大な自然の中で釣りを楽しむフィッシングゲームだ。同社からリリースされているハンティングゲーム『theHunter: Call of the wild』と同様のオープンワールドの中で、プレイヤーは淡水釣りに挑むことになる。釣りを繰り返していくことで経験値とクレジットを獲得。タックルを強化し、さらなる大物へと挑戦していく。

『theHunter: Call of the wild』のような世界観で釣りができる、ということで期待の声もあった本作だが、発売から間もないユーザーレビューは「やや不評」と厳しい結果になっていた(関連記事)。そこでExpansive Worldsは、『Call of the Wild: The Angler』の公式サイトで、リリースから24時間で集まった報告を既知の問題リストとして公開した。その内容はUIやグラフィック、サウンド周りの細かなバグに対する言及が多い。一方、ゲームプレイについてのフィードバックから変更される点もあるようだ。同リストには、「“Strike”のメッセージを無効化するオプションがないこと」が指摘された問題点として挙げられている。


これは没入感を高めるため、魚のフッキング時に表示されるメッセージを非表示にしたいという意見だ。本作では、魚のフッキング時に “Strike!”(日本語表示では“今だ!”)というメッセージが表示される。このメッセージはウキやルアーの動きにかかわらず表示され、表示されたタイミングでボタンを押すことでフッキングが成功し、魚とのファイトが始まるのだ。この表示をなくしてほしいという指摘は、あからさまなゲームらしさを排して、本当の釣りのような雰囲気を味わいたいという思いからだろう。また、このフッキング時に表示される“Strike!”というメッセージに対しては、Steam内のユーザーレビューにおいて“ダサい”、“興ざめ”などと酷評されている。そうした不評を受けて、問題点としてリストアップされるに至ったのだろう。

開発チームは「“Strike”のメッセージを無効化するオプションがないこと」を問題点としてリストアップしたうえで、問題を把握していると回答。この件に関しては、コミュニティから受けたいくつかのフィードバックを明確に聞いており、その解決に取り組んでいるようだ。具体的な解決策や方向性は明かされていないが、設定で表示を切替できるようになるのかもしれない。


そのほか、マルチプレイでフレンドと合流しにくい問題についても言及されており、こちらはなるべく早く修正できるように取り組んでいるという。また、リストには含まれていないが、徒歩時、運転時の視点を三人称に切り替えたいというユーザーから寄せられた意見を、コミュニティトラッカーに追加したと報告している。今後バグ以外にも、UIの不便な部分などが調整されていく可能性はありそうだ。

一方、リリース当初にSteamユーザーレビューで指摘されていた「釣りが単調」という件は、リスト内に挙げられていない。本稿執筆時点では、プレイを続けたユーザーたちからの、「単調なのはウキ釣りで、ルアー釣りは楽しい」という意見も見られるようになった。本作のルアー釣りは、魚を釣りやすくするためのルアーアクションに細かいマウス操作を要求される。発売から2日経った現在、そうした作りこみに気づいたプレイヤーも現れているようだ。開発チームも、釣りに関する部分に取り急ぎ修正すべき点はないと考えているのかもしれない。

また、本作では「歩いているだけでレベルが上がってクレジットが貯まる」という点が話題を集めていた。一方で、それは序盤のボーナスのようなもの、というのが実態だ。経験値、クレジットについては、適切なタックルを使ってルアー釣りを続ける方がずっと貯まりやすい。そのため、この指摘について開発チームは問題視していないと思われる。

筆者が遊んだ感想としては、序盤に該当の観光地を巡るミッションは、いろいろな場所を歩いて水場が発見できる嬉しい要素であった。またこうしたミッションは、稼いだクレジットで購入したタックルを使って、見つけた水場で魚を釣ってみるという、ゲームプレイの導線としても意図されているのではないだろうか。


既知の問題のリスト化に続いて、本日18時頃にはホットフィックスが配信。パッチ内容も発表されている。前述の“今だ!”やフレンドと合流しにくい問題についてはまだ対応されていないものの、グラフィック、UI、サウンド周りの細かなバグの解消や、パフォーマンスの向上が図られている。なお、開発元の前作『theHunter: Call of the Wild』は、長期にわたるアップデートやコンテンツ追加でも評価を得てきたタイトルだ。今後『Call of the Wild: The Angler』においても、フッキングやマルチプレイに関する点以外のさまざまな部分に手が加わることに期待したい。

『Call of the Wild: The Angler』はPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)向けに発売中。コンソール版の展開も予定されている。