『VALORANT』『LoL』昨年のプレイヤー報告件数は合計約30億。膨大なデータを活かして違反行為撲滅を目指す

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Riot Gamesは8月29日、同社が手がける『VALORANT』や『League of Legends』シリーズにおいて、昨年のプレイヤー報告件数の合計データを公開した。報告件数は毎月平均約2億4000万件にも及び、年間の合計数は30億件弱にも上る。今後は報告されたデータをゲーム横断的に活用し、自動で有害なボイスチャット・テキストチャットを検出する機能の開発などに利用していくとのこと。


Riot Gamesの「プレイヤーダイナミクス」とは?

今回のデータが公開されたのは、Riot Games公式サイトのニュース欄における “An Update on Player Dynamics”(プレイヤーダイナミクスの更新情報)というタイトルの記事である。この「プレイヤーダイナミクス」とはRiot Gamesが提唱するゲームデザインの学術分野の一つ。同社プレイヤーダイナミクスチームの責任者を務めるWeszt Hart氏は、同分野は「良いソーシャル体験を育み、悪影響の大きなやり取りを避けられるように設計されたゲーミング構造を作ること」が目標であると語っていた

*Riot Gamesによるプレイヤーダイナミクスの定義


今回のデータについて

本記事では、「報告件数30億という数は本当に本当に大きい数字です」と強調。続けて「仮に全Riot社員が365日休まずにこれらの報告の確認だけを仕事にしていたとしても、1人あたり1分間に約6件もの報告を見なければ追いつきません」と説明している。つまり、現状だと人間の手では扱いきれないほどの膨大なデータが集まっているようだ。本記事ではさらに、報告された行動がペナルティーに値しない場合や、報告自体が意図的に悪意を持っておこなわれている場合もあることを明かしている。膨大なデータの中には有用ではないものも含まれており、これらの判別もデータ活用の課題の一つであるようだ。

しかしながら、本記事では「ペナルティー機能が正常に効いているのは重要な点の一つです」とも強調している。ここでいうペナルティーとは、AFK(放置)や味方への攻撃などといったプレイヤーの悪質行為に対するものであり、たとえば『VALORANT』では公式サイトにてペナルティーの種類と効果時間が細かく分類されている。本記事のデータによると、「2021年にペナルティーを受けたプレイヤーのうち、年内に別のペナルティーを受けたプレイヤーは10%未満」だったようである。ペナルティー機能が、悪質行為の“再犯”を抑えている可能性はありそうだ。


データ活用の現状

本記事では、プレイヤーの行動を評価する方法に今回のデータがどのように活用されているのか、ゲーム開発の現状についても紹介されている。

ボイスチャットの自動評価機能
現状では、不正なボイスチャットの検出は度重なるプレイヤーの報告と手動プロセスに頼っているようだ。手動プロセスでは限界があるため、ボイスチャットの自動評価機能を現在開発中であると、本記事では説明している。公式サイトによると、機能の一部はすでに数か月前から『VALORANT』の北米地域限定で試験運用がおこなわれているようだ。ただし、本機能は実際に運用される段階にはまだ至っておらず、あくまで言語モデルの機械学習に活用している段階とのこと。一方で、年内にはベータ版のリリースを目指しているという。将来的には、悪質なボイスチャットを自動で検出する補助となるように設計されているようだ。また、先述のプレイヤーダイナミクスチームは「本機能が最初に影響を与えるのは『VALORANT』で、うまく機能すれば、ほかのタイトルにも運用を拡大していく予定です」と語っている。


テキストの評価機能の改善
現状では、ゲーム内のテキスト(プレイヤー名とチャットの両方を含む)を監視する方法の一部に機械学習が応用されているようだ。その機械学習の正解データとして、今回の膨大なデータの一部が活用されているのだろう。本記事では「不適切な名前の監視を強化するために、機械学習への投資を続け、対応言語を増やしていきます」と説明している。

信頼性重視の報告評価
プレイヤー報告数が通常よりも多いプレイヤーを検出する「異常検知機能」も強化中であると、本記事では述べられている。現在、本システムはチャットの妨害行為のみに対して機能しているが、今後はゲームプレイの違反行為や不適切なプレイヤー名の検出機能へと拡張されていく予定であるとのこと。

リアルタイム評価機能
本記事によると、テキストチャットの違反行為に対してリアルタイムな措置をとれる機能が開発中のようだ。将来的には、チームメイトに不適切なメッセージを送信しようとしているプレイヤーには、送信するかどうかを事前に確認する機能が実装される。本開発は今年からすでに開始されており、正しく機能するようになれば、広範囲のタイトルに採用される予定とのこと。


まとめ

以上、今回のデータについて、その活用例と今後の展望とともに見てきた。現状は膨大なデータが集まっており、機械学習の技術などと組み合わせることで、これからはさらに効果的にデータが活用されていくようである。なお、今回の記事は “We love competitive games”(我々は競技的なゲームが大好きです)という言葉で始まっている。記事の内容を見るに、競技性の高いゲームで問題となりやすいハラスメント行為などに対し、Riot Gamesはこれからも真剣な取り組みを続けていくのだろう。

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